なぜ「ドラ1」でもわずか3年で戦力外に? 経験者が振り返る“つまずきと悪循環”

中日2014年ドラ1右腕も…落合GMからは「即戦力で取ってない」

 即戦力のドラ1に求められるのは、一にも二にも結果。野村氏は、高卒社会人2年でプロ入りしていたため1年目は大学3年生の世代だったが、当時GMだった落合博満氏から「お前を即戦力ではとっていない。1年目は1軍で投げなくてもいい」と言われたこともあったが、周囲の目はそうでもなかった。野村氏も「とにかく結果を出さなければいけないと思った」と振り返る。

 出だしの遅れを取り戻そうと、前のめりになり過ぎて無理をした結果、再び故障につながったのではないか――。野村氏はあくまで「自分の体が弱かっただけ」と自らを責める。その一方で「しっかり考えて行動するというより、とにかくいい球を投げることだけ、結果を出すことだけしか考えていなかったです」と振り返る。一度立ち止まって自らが置かれている現状を省みることなく、ただ目の前の結果を求めた一面ものぞく。

“たられば”はない勝負の世界。もちろん、選手自身の能力やプロとしての適性、運など内外の様々な要因が重なって短命に終わってしまった側面もあるだろう。ただ、「ドラ1」という特別な立場が与える期待や責任、重圧があるのもまた事実……。活躍しようが、不本意な成績で終わろうが、最後まで注目される存在なのは間違いない。

(Full-Count編集部)

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