見てきた燕・村上の“異常な”練習… 西武の「松井稼頭央2世」が遊撃にこだわる訳

西武・川野涼多【写真提供:埼玉西武ライオンズ】
西武・川野涼多【写真提供:埼玉西武ライオンズ】

追い求めるスター選手像…「監督みたいになりたいです」

 遊撃にこだわりを持つのは、花形とされるポジションで完璧な守備を目指したいという高い目標があるからだ。

「バッティングには波がある。3割打てればいいバッターと言われますが、守備は10割を目指せます。だから求めていきたい。守備は数をこなさないと上手くならない。バッティングも守備も、自分で気づいたことはやり続けようと思っています。だから、自分で気づくまで数をこなすことが大事だと思っています」

 今季はファームで58試合に出場し、打率.242の成績を残した。守備練習に加え、苦戦しているという打撃の練習にも精力的に取組み「暇さえあれば寝ている」と疲れ切った表情を見せるが、同じ両打ちの遊撃手として活躍した松井稼頭央2軍監督の存在が支えになっている。

「『こうなんですよ』と話すと『そうなるよな。俺もそうだった』とわかってくれる。自分が悩んでいることを経験されてきた方なので、色々聞いています。丁寧に教えてくれますが、監督は球界で実績を残された方。ルーキーの自分が教えてもらっても、理解できないこともあります。もどかしいですが、それは自分の引き出しにして、できることをやっています」

 目指す打者像は、もちろん松井稼頭央2軍監督だ。そして「スター選手になりたい」と何度も口にした。

「自分は球界を背負う選手になりたい。監督みたいになりたいです。次のスイッチヒッターが現れた時に『松井稼頭央2軍監督が憧れ』とか言われたくない。自分以外の人に松井稼頭央2世になってほしくないです」

 プロの世界でスタートをきったばかりの19歳は、1軍の舞台、さらには球界を代表する選手を目指し、憧れの存在と二人三脚で歩んでいる。

(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)

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