楽天が島内宏明と4年の長期契約を結んだワケ 球団幹部が評価した30歳の能力とは?
「常に試合に出続ける意志、試合に出られるパフォーマンスのレベルを保ち続けてくれた」
楽天は11日、仙台市内で契約更改交渉を行い、島内宏明外野手と新たに4年契約を結んだ。島内は今季中に取得した国内FA権を行使せず残留を決断。2000万円増の年俸1億2000万円で、エース則本昂大投手に次ぐ長期契約を締結した。(金額は推定)
「こんなに評価してくれるチームは他にない」と謙遜する島内は、プロ9年目の30歳。星稜高、明大を経て、2011年ドラフト6位で入団。当初はケガや打撃不振に悩まされるシーズンが多かったが、5年目の2016年以降は毎年100試合以上に出場。毎年コンスタントに好成績を収め、チームの中軸を担ってきた。今季も69試合で5番、31試合で4番を務め、トータル114試合に出場して打率.281、出塁率.363、8本塁打53打点9盗塁をマークした。
交渉後に報道陣に対応した楽天の安部井寛チーム統括本部長は4年契約を提示した意図について「向上心が強い選手で、毎年毎年進化を重ねてきた。毎日の試合の中で、フルコンディションとはいかなくても、常に試合に出続ける意志、試合に出られるパフォーマンスのレベルを保ち続けてくれた。球団として非常に高く評価している」と説明し「残留を決めてくれてうれしい」と相好を崩した。
ガツガツしたところを見せず、飄々としたムードを漂わせ、シーズン中も一風変わったコメントを発する島内。根が優しく、さりげない気遣いでチームをまとめている。浅村、鈴木大、岸、涌井、牧田らFAやトレードでの“移籍組”が主力に顔をそろえるチームにあって、生え抜きの島内の存在感は貴重だ。
「今季は勝負強さに欠けていた。来年はもっと得点圏で打ちたい(今季得点圏打率は.281)」と振り返った島内。コツコツと合格点以上の成績を積み重ねてきた男が、「もっと大活躍しないと優勝に近づけない」と意を決した来季、プロ10年目の大爆発を見せるか。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)