阪神から3人、中日京田は「残念」…専門家が独自選出したセのゴールデングラブ賞は?

巨人・坂本勇人【写真提供:読売巨人軍】
巨人・坂本勇人【写真提供:読売巨人軍】

「二塁手は“一択”。他の選手ではおかしい」「外野も1人は抜群、文句なし」

○二塁手
菊池涼介(広島)
103試合、守備機会503、守備率1.000
193刺殺310補殺0失策66併殺

「ここは“一択”です。他の選手を選んだら、おかしいでしょ」と野口氏。確かにそうだ。今季は二塁手としてはプロ野球史上初のシーズン無失策(チーム試合数の3分の2以上出場で)を達成した。野口氏は「肩が強く送球ミスがない。体幹が強いから、無理な体勢からも投げ切れてしまうんですよね」と称賛。「アクロバティックな美技が目立つが、ポジショニングも抜群。『抜かれた』と思った打球の飛んだ所に、守備位置を変えていることがよくある」とも。昨年オフ、目指していたメジャー移籍を断念し広島と4年契約。野口氏は「体(171センチ、72キロ)がもう少し大きければ、メジャーも認めてくれたのではないか」と惜しむ。

○三塁手
大山悠輔(阪神)
108試合、守備機会253、守備率.976
68刺殺179補殺6失策13併殺

「正直言って、“帯に短しタスキに長し”の選手が多い」と、野口氏が選出に最も頭を悩ませたポジションの1つだ。昨年ゴールデングラブ賞を獲得したのは中日の高橋だった。「単純に守備のうまさを比べるなら高橋です。しかし、彼は今年(左太もも裏肉離れで)戦列を離れた時期があった。僕としては、打撃タイトル争いもしながらシーズンを通して守った、大山か巨人の岡本にあげたかった」と野口氏。数字的にも6失策、守備率.976の大山の方が、8失策、.971の岡本よりやや上。安定感で大山に軍配を上げた。

○遊撃手
坂本勇人(巨人)
113試合、守備機会468、守備率.991
176刺殺288補殺4失策65併殺

「コンディション不良の影響もあってか、守備範囲は例年より狭かったが、さばける範囲はさすがで、確実にさばいていた。消去法的な選出ではあります」と野口氏。ゴールデングラブ賞にも過去3度選出され、守備力への評価も定まっている。一方、昨年まで野口氏が高く評価し、さらなる成長を期待していたのが、中日の京田だったが、「今年は守備位置を後ろへ下げたために、送球ミスが激増した。三遊間の深い位置へのゴロにも、抜群の脚力で追いつくことができるが、あれでは元も子もない。残念でした」。京田は昨年の9失策、守備率.985から、今季13失策、.977に悪化した。

○外野手
鈴木誠也(広島)
118試合、守備機会220、守備率.991
210刺殺8補殺2失策0併殺

梶谷隆幸(DeNA)
107試合、守備機会173、守備率.988
171刺殺0補殺2失策0併殺

松原聖弥(巨人)
84試合、守備機会136、守備率.993
131刺殺4補殺1失策1併殺

 3枠のうち「鈴木誠は文句なし。足が速く、肩が強い。最高の外野手です。バッテリーにしてみれば、2死二塁でヒットを打たれても、鈴木誠が本塁で刺してくれる、もしくは三塁で止めてくれる。本当にありがたい存在です」と野口氏。9月21日の巨人戦の2回には、直江の右前打を捕球すると一塁へ矢のような送球で「ライトゴロ」に仕留めた。

 残る2枠は、巨人・丸、阪神・近本、中日・大島を含めて横一線。持ち味がそれぞれ違い、選考は難しかった。その中で「“野口枠”というか、将来性を見込んで、僕から激励の意味も込めて今年ぜひ賞を贈りたい」と指名したのが、俊足強肩の25歳・松原だ。守備範囲の広い梶谷は今オフ、巨人へのFA移籍が決まった。「松原と梶谷が来季、亀井らも含めて激しいポジション争いを展開することになったら、おもしろいじゃないですか」と野口氏は笑顔でうなずいた。

【動画】“ライトゴロ”に場内騒然…野口氏がGG賞に選出した巨人・松原の強肩映像

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