「優勝したからOKじゃない」鷹・中村晃が“出塁率”査定アップを求めたワケ
今季のチーム出塁率はリーグ4位、打率最下位のロッテをも下回る
16日に契約更改交渉を行ったソフトバンクの中村晃外野手。現状維持の2億4000万円で来季の契約を更改した交渉で、球団側へ要望した1つが出塁率に対しての査定のアップだった。
以前から出塁率の評価アップへの希望を口にしていた中村晃。交渉後の会見では「出塁率の話はしました。球団としても大きな課題と言っていました。選手のモチベーションが上がったりとか、査定が上がれば、もっと頑張るんじゃないですか、と言いました」と明かした。
出塁率の評価の低さを「以前から思っていました」という中村晃。近年は、特にMLBでは打率だけでなく、四球などで出塁したことも加味される出塁率が高く評価されるようになってきている。中村晃も「ここ1、2年、出塁率を重要視する野球っていうのも分かられてきていると思う。どっちかといえばホームラン、打点が評価されるイメージを選手は持っています」という。
今季はチーム全体として出塁率の低さは課題だった。チーム打率.249はリーグ2位だったものの、出塁率.321は4位。四球数はリーグ5位と少なく、チーム打率.235のロッテに比べて四球数は100個近く少なく、出塁率も低かった。この点を中村晃も「優勝したからいいですけど、序盤、中盤は淡白な攻撃ばっかりだったので。そこは課題にしていかないと。優勝したからOKではなく、そういう現実があった。ロッテを例に出してみましたけど、ああいう攻撃は大事だと思いますけどね」と指摘した。
ただ、単純に四球を増やそうとすればいいというだけではない。早いカウントから積極的に打っていくスタイルはソフトバンクの持ち味でもある。それだけに中村晃も「どういう風に意識を持っていくか。積極性が持ち味の選手が多いので、それで『四球を取れ』となると消極的になって悪い方に出る可能性もある」という。
「その難しさは球団の人ともあるよね、と話はしました。その中でモチベになるものがあればいいのかな」と中村晃は、球団への要望を伝えた思いを語っていた。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)