鷹柳田は「数字以上に派手で劇的」 元オリ監督がMVPに選出、凄み感じた7月の一打

日本S第4戦でも先制された直後に逆転2ラン…要所での貢献度が顕著に

 7月19日のオリックス戦(京セラドーム大阪)。0-0で迎えた7回無死二塁だった。エース山本と対峙し、フルカウントから7球目に来た真ん中高め気味のフォークを右翼方向へ。決勝点となる先制の適時二塁打を放った。

「追い込まれてからのフォークを見極め、ファールで粘った後のタイムリーだった」と振り返る場面。森脇氏は「柳田に会ったらあの打席での考え方、気持ちの変化を聞いてみたい」という。先制点を奪うため打者としてはまずはタイムリー、最低限でも進塁打は放ちたいところだった。

「右打者の右打ちはそんなに難しくない。だが、左打者は難しい。落ちるボールを引っ張りにいくと空振りになったり、バットでボールの下を切ったような内野フライになったりしかねない。私はかつて左打者には2ストライク後は進塁打のサインを取り消したりもした」と状況を分析。見た目以上に難しい局面で、進塁打どころか適時二塁打を放った姿に「あの打席のこなし方にレベルの高さを感じた。相手が豪腕山本だったのでなおさらですよね。また、ホークスがペナントを取る中で4度の分岐点となるゲームがあり、このゲームの持つ意味は大きかった」とうなった。

 その試合は柳田が先制打を放った直後に中村晃の2ランで一挙3得点。8回に2点を返されたものの逃げ切った。その後、ソフトバンクは7月下旬に首位を奪取。楽天やロッテと激しい争いを繰り広げながらも、10月以降は怒涛の連勝街道を突き進み、リーグ王者に立った。

「あらためて振り返ってみると、やはり柳田が年間を通して好守の中心に居続けたことで、チームとしての安定感が生まれましたね。そういう意味では、甲斐の存在も見逃せない。ペナントが進むにつれ中村晃、グラシアルが加わり更に太い柱が出来上がった。その太い柱があってこその栗原、周東の台頭ではないだろうか」

 巨人との「SMBC日本シリーズ」第4戦でも、初回に先制された直後に柳田が逆転2ラン。わずかに見えた巨人反撃の兆しを即座に断ち、4連勝で日本一に立った。最後の最後まで発揮した要所での貢献。“ギータここにあり”を証明した1年で、森脇氏も文句なしのMVP選出だった。

【動画】森脇氏が凄み感じた鷹柳田の一打! オリ山本との全球対戦の映像

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