「もの凄いバッターになる」 鷹・長谷川が期待する若き大砲候補に授けた助言
「この打席でホームラン王を取るような選手になるキッカケをつかんで欲しい」
16日に契約更改交渉を行い、来季の契約にサインしたソフトバンクの長谷川勇也外野手。海外FA権の行使も検討していたが、権利を行使せずに残留を決め「他球団の評価も聞きたいなとも思ったんですけど、ホークスでお世話になるのは、そう言ったところでの判断じゃない、金額とか条件面での判断でホークスに残るのではない」などと胸の内を語っていた。
この日、長谷川は会見の中で、若手選手たちへの熱いゲキも飛ばした。近年、契約交渉後などに若手の突き上げが足らないことを指摘してきた。今季は栗原陵矢、周東佑京といった面々が台頭してきたが、長谷川にしてみれば「栗原とか佑京は慣れてきさえすれば、やって当然のプレーヤー」だという。
求めたいのはさらに下の世代の台頭。「やっぱりそれよりももう1つ若い世代、筑後でやってる2軍だったり3軍の選手。もっともっとギラついてやっていって欲しいなと思います」と語っていた。
その中でも、長谷川が名前をあげて期待を寄せたのが、若き大砲候補のリチャードだ。「リチャードね、物凄いバッターになるんですよ、自分次第で」。今季、ファーム調整中に助言を求めてきたリチャードに対し、1時間以上にわたり熱心にアドバイスを送った。長谷川が新型コロナウイルスの陽性判定を受けた際にリチャードが濃厚接触者とされたのはこの時のことからだった。
長谷川はリチャードに送った助言の詳細については「あまり深くは言えない」と伏せながらも「見ていても、なんとなく終わる打席が多かった。この打席、この1球で、ものすごいバッターになるチャンスがあるのに、なんかこう何となく終わっていた。『ただ打席に立ちました、はい凡打しました』じゃなくて、この打席でホームラン王を取るような選手になるキッカケをつかんで欲しいと思って。その感覚を感じられるような土壌、土台を作ったと言う感じ」と、その概要を明かした。
もちろん長谷川自身、まだまだ若手たちに負けるつもりは毛頭ない。チーム随一の練習量を誇るベテラン。来季に向けても「毎回言うようですけど、自分の技術を磨くことしか考えていない。いい技術を身につけることができれば、試合に出て結果を出るのは当然。そういう機会が増えていくのは自分次第。技術屋なんで、そこを磨いていくことだけしか考えていません」と語る。その姿はまさに求道者だ。