なぜ戦力外選手にベストナイン票? 日本球界に求められる記者投票の透明性
メジャーリーグでは記名方式を採用、不可解な投票は集中砲火を浴びる
メジャーリーグでも多くの賞が記者投票によって行われる。ただ、全て記名投票によって行われ、誰がどの選手に投票したかは全て公表される。取材を求められれば、説明責任を果たさなくてはならないケースもある。不可解な投票をしようものなら、各メディアから取材をかけられ、ファンも含めて批判の対象になる。根拠のない投票は許されず、実際に記者が集中砲火を浴びるようなことも何度も起きている。
日本のプロ野球の場合、誰がどの選手に投票したかは公にされない。ただ、こうした不可解な投票があることによって、ファンは呆れ、賞の価値を下げてしまうことにも繋がりかねない。多方面で記者投票をやめ、選手間投票等にすればいい、といった声もあがるほどだ。
大多数の人は真剣に、その年に相応しい「ベストナイン」に投票しているはずだ。その中で起きる、こうした不可解な投票を残念に思うファンがほとんどだろう。投票権を持つ記者はファンを代表して受賞者を選ぶ立場にいるだけに、その責任は重い。ファンが納得できる根拠のある投票はもちろん当然として、投票者と投票先を公にするなどして、投票の透明性を担保するなどの改革があってもいいのかもしれない。
全体で考え、制度を見直すべきところに来ているのではないだろうか。もしかしたら、モタに投票した記者はこの制度に何かを訴えたのかもしれない。たとえそうだとしても、説明する場があってもいい。真剣に野球を見て、プライドを持って、票を投じた記者だっている。楽しみに待っているファンがいる。それを忘れてはいけない。
(Full-Count編集部)