筆頭は燕奥川、ロッテ佐々木朗は? 専門家がブレークを期待する有望株リスト

中日石川は「将来の4番候補。期待したくなる雰囲気を漂わせている」

 奥川、井上と同い年の19歳で、中日ドラフト1位の石川昂弥内野手も、7月に1軍昇格し、14試合で36打数8安打(打率.222)と爪痕を残した。「将来の4番候補。打席に立った時に、期待したくなる雰囲気を漂わせている。奥川、井上もそうだが、スケールが大きい」と野口氏は太鼓判を押す。

 パ・リーグでお気に入りは、これまた高卒1年目の楽天・黒川史陽内野手だ。9月4日に初めて1軍に昇格した際、「1軍に上がるためではなく、1軍で活躍するためにやってきた」というコメントを聞いて、野口氏は「大したものだ」と鮮烈な印象を受けたという。10試合に出場し、14打数2安打(打率.143)2打点。智弁和歌山高時代に通算34本塁打を放った右投げ左打ちのスラッガーで、「内野ならどこでも守れる。楽天のレギュラーは鈴木大、浅村、小深田、茂木とそろっていて、壁は分厚いが、来季浅村をセカンドからファーストへ追いやるくらいの心意気でやってほしい」と野口氏の期待は大きい。

 日本ハム2年目の20歳・野村佑希内野手も、来季の正三塁手候補として足掛かりを築き、「来季は中田、近藤、大田、渡邉の中核に割って入ってもおかしくない」(野口氏)。ソフトバンクの21歳、リチャード内野手はファームのウエスタン・リーグで本塁打、打点の2冠を獲得した。

 投手では、オリックスの19歳左腕・宮城大弥投手、右のサイドスローで球速が150キロに迫る“和製・林昌勇”こと西武・松岡洸希投手、野口氏にとって千葉・習志野高の後輩にあたるロッテの20歳右腕・古谷拓郎投手らに、来季躍進の可能性があると見ている。プロ1年目は体作り優先で1、2軍を通じ公式戦登板なしに終わった最速163キロ右腕、佐々木朗希投手については「いつ、どんなスタイルでベールを脱ぐのか気になる」と言及するにとどめた。

 今季は各球団にとってもファンにとっても厳しい1年だったが、来季期待の若手たちが一気に花を咲かせるための準備期間だったとすれば、我慢した甲斐があるというものだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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