ロッテ安田&藤原、中日藤嶋… “幕張の防波堤”が大きな期待を抱く若手の星は?

今季2年目の藤原は「歴代の名センターに近づける潜在能力の持ち主」

 同じロッテでは20歳の藤原恭大外野手もチャンスをつかんだ。新型コロナウイルスの集団感染による1軍選手の大量離脱をうけて10月6日に2軍から昇格。26試合で打率.260、3本塁打10打点をマークし、1番での起用は20試合を数えた。小林氏は「走攻守トータルで高いレベルにある。歴代の名センターに近づける潜在能力の持ち主。あとは“野球脳”。つまり考え方や取り組み方次第」と評価した。

 ソフトバンクの栗原陵矢捕手も6年目の今季、持ち前の打撃を武器に台頭。日本シリーズでは打率5割でMVPを射止めた。捕手登録だが、打力を生かすために右翼や左翼、一塁とほぼ野手での出場だった。小林雅氏は「セールスポイントは打撃だが、来季は捕手として甲斐に挑戦するのか、外野や一塁でレギュラーを固めに行くのか、まずはそこに注目したい」と言う。

 一方、投手では西武の最速160キロ右腕で新人王に輝いた21歳の平良海馬投手、中日の22歳・藤嶋健人投手の躍進に期待する。平良については「今季投げ過ぎている(リーグ最多タイの54試合登板)ので、来年以降パフォーマンスを維持できるのか少し心配」。藤嶋に関しては「彼の投げっぷりが大好き。表情豊かで闘志が前面に出る“昭和の投手”という感じ」と称賛。昨年1月下旬に右手の血行障害を発症したが、今季26試合に登板し1勝0敗3ホールド1セーブと存在感を示した。

 最速163キロ右腕として、岩手・大船渡高から鳴り物入りで入団したロッテのドラフト1位ルーキー佐々木朗希投手は体づくりを優先し、1、2軍を通じ公式戦登板なしに終わった。同氏は「“牛歩”でいいと思います。来年も開幕1軍にはこだわらず、ファームである程度登板してから、シーズン中盤以降に昇格し、1軍で10~15試合で投げられればいいのではないか」とした。成長途上の大器を開花させるには、焦りは禁物だ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY