YouTube登録者12倍増生んだ中日ドアラの“発想” 主流と逆行「あえてチープに」

ビシッとスーツで決めた姿の中日のマスコット・ドアラ【写真提供:中日ドラゴンズ】
ビシッとスーツで決めた姿の中日のマスコット・ドアラ【写真提供:中日ドラゴンズ】

“やってみた系”よりも“自然体系”「神が降りた瞬間を待っています」

 人気YouTuberらがバズらせてきた「やってみた系」にもチャレンジしたが、反応は今ひとつ。「ドアラさんの普段見せない一面だったり、素の部分だったりの方がニーズはあるんだろうな」と分析する。思わぬ瞬間に驚きの動画が撮れることもあり、6月の本拠地開幕戦で本塁打の打球があわや直撃しそうになったハプニングもそのひとつ。村山さんは「神が降りた瞬間を待っています」と笑う。

 だからこそ、凝りすぎて作り込むことはしない。ドアラ最大の武器は、溢れ出る“人間味”によるシュールさ。「ツッコミの余白を残しつつ、あえてチープにとは考えています。シュールな世界観やのんびりな雰囲気を出したい」と狙いを語る。さながら、就寝前にベッドの中で見る愛らしい猫動画のようなイメージを膨らませる。

 昨年の段階で4500人ほどだったチャンネル登録者数は、気がつけば約5万2000人までに増加。「少しずつ認知をしていただけている証拠だと思います」と村山さんは言う。昨オフの契約更改でドアラが自らの背番号にちなんで掲げた目標登録者数「1994」万人にはまだ遠いが、本人は「YouTubeの登録者数増やす」と意欲満々だ。

 来季に向けても、すでにアイディアをあたためているようで「新型コロナの状況にもよりますが、選手との交流系動画を来季は増やしてければ」と村山さん。8年ぶりのAクラス入りで上昇気配の漂うチームで、選手にイジられまくるドアラの姿が今から目に浮かぶ。

(小西亮 / Ryo Konishi)

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