元Gマイコラスを上回る“精密機械” 日ハム新助っ人アーリンをデータから分析

持ち球はフォーシーム、カーブ、チェンジアップに加えて…

 そんなアーリンはいったいどんな投手なのか。助っ人投手といえば、150キロ後半の直球でねじ伏せる豪腕を想像するだろうが、アーリンは彼らとは全く異なるタイプだ。直球の平均球速は150キロにも届かず、2018年にBB%(打席に占める四球の割合)2.7でメジャーのトップ1%にも入ったコントロールが生命線。キャリア通算のBB%でも4.2とメジャー平均8.3の約半分程度の四球しか与えていない。BB/9(与四球率)でみても2018年は規定投球回に届いていないが、規定トップだった元巨人でカージナルス・マイコラスの1.301を大きく上回る1.0をマークしている。歴代助っ人の中でも1、2を争う“精密機械”なのは間違いないだろう。

 次に持ち球を見ていこう。今季メジャーで投げた球種の割合は、フォーシーム55.7%、カーブ27.3%、チェンジアップ16.1%、シンカー0.9%。今季だけを見るとほぼ3球種だが、もう1つ封印している変化球がある。昨季まで使っていたスライダーを今季は1球も投じていないのだ。このスラッター気味の高速スライダーは、2019年には平均球速88.2マイル(約142キロ)を記録。フォーシームの平均球速90.7マイル(約146キロ)とほぼ変わらないことから、仮に復活させれば打者を惑わすことができそうだ。

 また、技巧派といえば打たせて取るイメージを持たれがちだが、キッチリと三振を奪える点も魅力の一つ。変化量の大きなカーブだけでなくチェンジアップも決め球として使えることから、左右関係なく三振を奪うことができる。一方で今季は、フライボール・レボリューションの影響もあってか被弾が激増。球速で劣る直球を狙って一発を浴びる場面も多く、26回2/3で被本塁打8を喫した。この点では広い本拠地・札幌ドームが有利に働くだろうか。

 ニック・マルティネスが退団、有原航平がポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指している日ハム。アーリンには、まずは先発ローテーションとして期待がかかりそう。先発、中継ぎと何でもこなせる“精密機械”がどのような成績を残すか注目だ。

(Full-Count編集部)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY