ダルビッシュと二枚看板、元新人王左腕はなぜトライアウトで合格できたのか?
ドキュメンタリー番組「プロ野球 戦力外通告」が当時密着
何より、精神的に追い込まれていなかった。「自分はまだできるっていう実感はあったので、不安というよりもワクワクみたいな気持ちで臨めました」。トライアウトでは打者4人を三振、投ゴロ、遊ゴロ、遊飛に抑える完璧な投球。翌日に中日から連絡をもらい、自身3球団目となる新天地にたどり着いた。
戦力外からトライアウトまでの軌跡は当時、TBS系のドキュメンタリー番組「プロ野球 戦力外通告」が密着。6年の時をへて、あの時の思い出や裏話を振り返る特別企画が実現した。タレントの上田まりえさんが対談相手を務め、23日からTBSの公式YouTubeチャンネルで順次公開されている。今年の地上波の番組は、29日午後11時10分から放送。八木さんは「毎年見ています」と視聴者として楽しみにしている。
中日で2017年までプレーして現役を引退した八木さん。「どう自分の色を出していこうかと、あらためて生きる道を考えさせられた3年間でした」としみじみ振り返る。弱肉強食の世界を生き抜いていくため、他人にはない魅力を見出す必要性。それは、現在スカウトとしてアマチュア選手を見る際の視点にもつながっている。
プロ選手の窮地から再起へとつながることもあるトライアウト。多くの選手がチャンスをつかめない中、八木さんのように転機を迎える場合も。選手たちは人生を賭し、たった数球、数打席に執念を注いでいる。
(Full-Count編集部)