「捕手として大事なもの」鷹・甲斐拓也が語る“キャノン”よりも誇れる技術とは?

ソフトバンク投手陣の今季の暴投はリーグ最少の22個

「盗塁阻止を言われますけど、1番キャッチャーとして大事に思うのはブロッキングですね。ブロッキング、ワンバウンドを止める機会の方が、盗塁される数よりも明らかに多い。これによって走者を1つ先の塁に進めるか、進めないかで全く違う。投手にとっても全然違う状況になる。キャッチャーとして、そこは求めているものでもあるし、大事なもの。ストップするのは大事だと思っています」

 投手の投球がショートバウンドやワンバウンドになった際に体を張って止める“ブロッキング”と呼ばれる技術。甲斐が重要視するのはこの技術だという。このワンバウンドを捕手が逸らせば、ほとんどが投手に「暴投」が記録される。今季のソフトバンク投手陣の暴投はリーグ最少の22。リーグ最多の西武の45個の半分以下だ。

 投手陣の力量ももちろんあるが、甲斐のブロッキングもここに大きく寄与していることは間違いない。エースの千賀滉大投手らがワンバウンドのボールを体を張って止め、体中がアザだらけになっている甲斐の姿に感謝していたところにも、役割の大きさが伺えるだろう。ワンバウンドをどれだけ止めてくれるか、は、投手からの捕手の信頼にも大きく関わってくる。

 来季に向けて「自分自身も責任感を持ってやらないといけないですし、5連覇はチームとしてもですけど、キャッチャーとしても1番の目標。そこに向けて頑張っていきたいと思います」と語る甲斐。2年連続のリーグ優勝、5年連続日本一へ、正捕手の存在は来季以降も欠かせない。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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