ロッテ、なぜ得失点差-18で2位躍進? 快進撃を可能にした投手運用の“管理力”

得失点差はマイナス18でも、シーズン成績は3つの勝ち越し

 今回の記事では、2019年、2020年ともにピタゴラス勝率に基づく予測とは真逆の成績を残している、ロッテについて取り上げていきたい。

 とりわけ、今季は得点よりも失点の方が18も多かったものの、それを感じさせないような戦いぶりを披露。10月9日には首位のソフトバンクとゲーム差なしに迫るなど、激しい優勝争いを展開した。チーム内に新型コロナウイルスの集団感染が発生したタイミングを境に失速こそしたものの、最終的には2007年以来13年ぶりとなる2位に入った。決して高くはなかった前評判を考えれば、大健闘のシーズンだったと言えるだろう。

 とはいえ、野球は試合終了時のスコアで勝敗を決するスポーツだ。ピタゴラス勝率でも示されるように、得点数よりも失点数が多ければ、それだけ負けが多くなると予測できる。にもかかわらず、今季のロッテが躍進を見せられた要因はどこにあったのか。今回は、各種の数字をもとに、勝てる試合を高確率で白星に結び付ける勝負強さを生んだ投手運用という面から、その理由に迫っていきたい。

年間を通じて得点力不足に悩まされた打線と、それをカバーした投手陣

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