巨人ナインとファンの距離を縮めたYouTube “元木ヘッド不在事件”にあった凄さとは
6月13日公開の動画、最後の「冷たいのうー」はさすがの一言
元テレビマンとしてのプライドも持って、カメラを回していた。「自分が一番、(撮影や作品の構成など)詳しいんだ!と思ってやっていました。でも、テレビを一番知っているのは自分ではなかったんです」
柳舘さんが“リスペクト”するのはテレビ出演をこれまで多く経験している元木ヘッドコーチの空気感だった。
「元木さんは動画の完成形までイメージされている方。ある試合の円陣でヘッド不在のまま、終わってしまう動画があるんですが、最後、一人になって現れると『冷たいのうー』と言って、去っていくんです。これって動画の最後の『オチ』になる一言を意識的に言ってくれてるんです。勉強になりました」
6月13日に公開となった「事件!円陣に元木ヘッドがいない!」編は150万回以上再生され、ファンの爆笑を呼ぶ作品となった。元木ヘッドの他にも、選手たちがカメラの向こうのファンを意識して、立ち振る舞ってくれた。
「巨人ファンの方々のコメントは嬉しいですし、他球団のファンの方も来てくださり、コメントをいただくので、嬉しいなと思います」。特別だったこの一年を振り返る。
無観客で始まった開幕。ジャイアンツ球場での練習には最初は報道陣も入れなかった。唯一、ファンの人とつながる有効な手段がSNSだった。柳舘さんが撮影をする仕事に就いてからずっと守っていることがある。それは「撮り続ける」「カメラを回し続ける」ということだ。巨人軍に出向しても変わらなかったスタンスで、チームとファンの絆を強固なものとした。