12球団の今季MVPは誰? 総合指標「WAR」で見るチームへの貢献度【パ編】
日本ハムの野手で貢献度1位は中田ではなく近藤という結果に
○ロッテ
先発:二木康太(3.4)
救援:益田直也(2.0)
野手:レオネス・マーティン(4.0)
シーズン終盤まで優勝争いを演じ、2位でクライマックスシリーズに進出したロッテ。先発でのWAR1位は10勝あげた美馬ではなく、9勝の二木で3.4だった。美馬は僅差の3.1。リリーフでは守護神の益田が2.0と貢献度が際立った。打者は助っ人のマーティンが4.0でトップ。ただ、他球団のトップと比較するとWARは低く、チーム全体での野手陣の貢献度がやや低調だったと言えるだろう。
○西武
先発:高橋光成(3.1)
救援:平良海馬(1.7)
野手:源田壮亮(4.8)
昨季まで2年連続でリーグ優勝を果たしていた西武は3位に終わった。チームの中で最高のWARを示したのは不動の遊撃手の源田。打撃面での貢献は高くなかったものの、鉄壁の守備力により、指標を押し上げた形に。外崎修汰が3.8で源田に続いた。先発投手では8勝8敗だった高橋光が3.1でトップ。リリーフでは今季急成長を遂げた若きセットアッパーの平良が1.7でトップだった。また、先発としても投げた平井克典も平良と並ぶ1.7、守護神の増田は1.5となった。
○楽天
先発:涌井秀章(2.9)
救援:酒居知史(1.2)
野手:浅村栄斗(5.4)
シーズン中盤までソフトバンク、ロッテと優勝争いを演じた楽天だったが、終盤に失速して4位に終わった。その中でチームトップの貢献度を誇ったのは本塁打王の浅村。WAR5.4はソフトバンクの柳田に次ぐリーグ2位の高さだった。先発では今季加入し最多勝のタイトルを獲得した涌井が2.9でトップ。リリーフでは酒居の1.2が1位で投手陣で苦しんだことが伺える結果となった。
○日本ハム
先発:ドリュー・バーヘイゲン(3.4)
救援:宮西尚生(1.2)
野手:近藤健介(4.2)
5位に沈んだ日本ハム。先発投手でWARトップとなったのはエースの有原ではなく、助っ人のバーヘイゲンだった。18試合に先発して8勝6敗だった右腕のWARは3.4。有原の2.6、上沢の2.4を上回った。リリーフは宮西の1.2がトップ。野手では打点王に輝いた中田翔ではなく、最高出塁率のタイトルを獲った近藤がWAR4.2でトップ。2位は西川遥輝の4.1、3位は大田泰示の3.0で、守備指標がマイナスだった中田は1.8の4位だった。
○オリックス
先発:山本由伸(5.0)
救援:山田修義(1.3)
野手:吉田正尚(3.4)
最下位に沈んだオリックスだったが、先発・山本のWARは5.0。これはソフトバンクの千賀を上回りリーグ1位で、中日・大野雄大とともに12球団トップでもあった。リリーフは左腕の山田が1.3でトップ。打者はもちろん首位打者の吉田正が1位に。ただ守備指標のマイナスも響き、WAR3.4は他球団の野手と比較しても低い結果に。2位が安達の2.5、3位が福田の1.5と全体的にも低い結果となっていた。
(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)
データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。