12球団の今季MVPは誰? 総合指標「WAR」で見るチームへの貢献度【セ編】

広島投手陣を支えたドラ1森下、奮闘したベテラン青木

○中日
先発:大野雄大(5.0)
救援:ライデル・マルティネス、祖父江大輔(1.5)
野手:大島洋平(3.5)

 8年ぶりにAクラス入りした中日。WARで見る投打のMVPはエースの大野雄と大島という結果になった。20試合で11勝を挙げ、10完投6完封で最優秀防御率、最多奪三振のタイトルを獲得し、沢村賞も受賞した大野雄は異論はないだろう。野手のトップは最多安打の大島でWARは3.5。高橋周平の3.4とは僅差だ。リリーフは守護神のR・マルティネスと祖父江が1.5でトップタイ。“大福マル”のもう1人、福敬登のWARは0.5だった。

○DeNA
投手:平良拳太郎(3.1)
救援:三嶋一輝、エドウィン・エスコバー(1.8)
野手:梶谷隆幸(4.6)

 4位に終わったDeNAで最も高いWARだったのは野手は梶谷、投手は平良だった。リーグ2位の打率をマークした梶谷のWARは4.6。梶谷を上回り首位打者となった佐野のWARは2.3で、梶谷、オースティンに次ぐチーム3位だった。投手では4勝6敗だった平良の3.1がトップ。大貫晋一が10勝をマークしたものの、WARは2.4で平良を下回った。リリーフでは三嶋とエスコバーがトップの指標だった。

○広島
投手:森下暢仁(4.2)
救援:ヘロニモ・フランスア(1.5)
野手:鈴木誠也(5.3)

 5位に終わった広島でMVPとなるのはドラフト1位ルーキーの森下、守護神のフランスア、そして主砲の鈴木という結果に。森下は10勝3敗、防御率1.91と圧巻の成績を残して新人王に。WARも4.2と投手陣の中でトップの指標となり、リーグ全体でも大野雄、菅野に次ぐ。リリーフはフランスアの1.5がトップでケムナ誠が1.4、島内颯太郎が1.1で続いた。野手は文句なしで鈴木誠。WARはセ・リーグで3位となる5.3だった。

○ヤクルト
投手:高梨裕稔(2.2)
救援:石山泰稚(1.9)
野手:青木宣親(5.0)

 最下位に沈んだヤクルトで高い貢献度を示したのが、大ベテランの青木だ。リーグ3位の打率.317をマークして、18本塁打51打点の好成績を残した。村上宗隆が打率.307、28本塁打86打点だったが、WARでは村上の4.8に対して5.0の青木が上に。村上は打撃指標で優れていたものの、守備指標を加えた総合評価で青木が上に。先発では18試合に登板した高梨が3勝止まりながら、WARはトップ。リリーフは抑えの石山が1.9だった。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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