リーグ最多32度の逆転負けを喫した楽天 今季の成果と課題を振り返る【投手編】

先発、中継ぎ、抑え…すべてを経験した背番号「1」

 今季から本格的に、クローザーから先発への配置転換を明言し、シーズンに臨んだ松井裕樹投手。守護神としての実績は申し分なく、まだ若いこともあって大きな期待が寄せられたが、自身開幕からの2戦でともに5回まで持たずに降板、その後はファームでの調整が続いた。

 しかし、1軍復帰後は希望も見えた。8月27日の千葉ロッテ戦では、7回1安打11奪三振無失点と完璧に抑え、今季初白星をマーク。確かな手応えをつかんだ一戦となった。先発としては10試合に登板、51回2/3を投げ、3勝3敗、防御率3.66とまずまずの結果だったが、この経験は今後のキャリアで生きてくるに違いない。

 10月以降は、チーム状況もあり中継ぎでの起用が中心となると、すぐに勝ちパターンの一角に。15試合に登板して失点した試合は2試合のみで、防御率も1.65と優れた数字を残した。また、そのうち2試合ではセーブも記録するなど、1シーズンで先発、中継ぎ、抑えすべてを務めた。経験値を高めて迎える来季、さらなる活躍が期待される。

 慶応義塾大学からドラフト3位で入団した津留崎大成投手は、開幕から中継ぎとして登板し、9試合連続無失点と即戦力に相応しい働きを見せた。最終的には、33試合に登板して1勝1敗1ホールド、防御率4.19と1年目から十分な成績を残している。

 ドラフト6位でHonda鈴鹿から入団した瀧中瞭太投手は、シーズン終盤に躍動した。ファームで結果を残して1軍昇格を果たすと、プロ初登板・初先発となった9月19日のソフトバンク戦では6回途中1失点と好投し、チームの勝利に貢献する。さらに10月11日の西武戦では、完封勝利まであとアウト1つという大健闘でプロ初白星。10月25日の千葉ロッテ戦でも7回無失点で2勝目を挙げるなど、来季以降の先発ローテーションの一角として大きく期待される。

 1年目で存在感を見せ付けた両投手。初めて迎えるプロのオフシーズンで、どのような進化を遂げるか。来季のさらなる活躍に期待しよう。

リーグワースト32度の逆転負け…来季へ向けての強化ポイントは

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