日本シリーズ4連覇のホークス 周東ら若鷹が成長、役者揃いの強力打線【野手編】
本塁打数と盗塁数はリーグトップ
3年ぶりのリーグ優勝、そして4年連続の日本一に輝いたソフトバンク。序盤はなかなか波に乗れなかったものの、終わってみれば、73勝42敗5分で31の貯金、2位の千葉ロッテに14ゲーム差をつける圧倒的な強さでペナントを制した。本記事は投手を中心とした前編、野手を中心とした後編に分けて、各選手にフォーカス。パーソル パ・リーグTVの特集動画「シーズンレビュー2020」とともに、ソフトバンクの2020年シーズンを振り返っていく。
まずはソフトバンク野手陣全体の数字を振り返ろう。チーム打率は.249とリーグ2位タイ、出塁率にいたっては.321でリーグ4位と突出した数字ではない。ただし、本塁打数126、盗塁数99はともにリーグトップと、パワー&スピードといった観点では好成績を残している。
そんな野手陣の中、リーグ優勝のキーマンになったのが周東佑京内野手だ。昨季の開幕直前に育成から支配下登録を勝ち取ると、代走の切り札としてチームトップの25盗塁を記録したスピードソルジャー。しかし今季序盤はマークに苦しみ、シーズン初盗塁は開幕から1か月以上経った7月24日の日本ハム戦だった。その後はスタメンも増えたが、慣れない二遊間の守備に苦しみ、9月12日の西武戦では2失策を喫して涙も流す場面も。
それでも、その悔しさをバネにひたむきな努力を重ね、9、10月には月間打率3割以上を記録してリードオフマンの座を奪取すると、持ち前の「足」も徐々に本領を発揮。9月には14盗塁、10月には23盗塁を稼ぎ、さらに10月16日から30日にかけては13試合連続で盗塁を成功させ、「連続試合盗塁」の世界記録を樹立した。最終的には103試合に出場し、83安打1本塁打27打点、打率.270。50盗塁で自身初の盗塁王にも輝いている。