日本シリーズ4連覇のホークス 周東ら若鷹が成長、役者揃いの強力打線【野手編】
復活のギータは「規格外弾」連発
柳田悠岐外野手は、昨季ケガの影響で38試合出場に終わったが、今季打棒でチームを引っ張った。序盤から快調にスタートを切ると、6、7月度、10、11月度と月間MVPを2度受賞。特に7月は全27試合に出場し、打率.433、7本塁打、20打点、出塁率.556の驚異的な成績を叩き出した。その後もハイペースで猛打を重ね、最終的には146安打で自身初の最多安打、5年ぶり2度目のシーズンMVPに輝く。そのほかの打撃成績も、119試合に出場してリーグ2位となる打率.342、同3位となる29本塁打、86打点、出塁率.449という高水準だ。また、柳田の持ち味といえば、「意味不明」とも表現される規格外の本塁打。来季も「オンリーワン」のアーチが期待される。
柳田と同じく、中村晃外野手も今季カムバックした。昨季は持病の影響もあり44試合の出場に終わったが、今季は選手会長に就任し、雪辱を果たすことに成功する。「打撃職人」の異名にふさわしい渋い働きで、4番を含むあらゆる打順で自身の役割を全うし、チームの勝利に貢献。8月26日のオリックス戦ではプロ13年目にして初となるサヨナラ打を放ち、9月17日の日本ハム戦では通算1000安打も達成した。
6年目の栗原陵矢捕手は、捕手登録ながら一塁手や外野手としてオープン戦、練習試合でアピールを続け、今季「2番・一塁」で自身初の開幕スタメンを勝ち取る。そしてそのロッテ戦、1-1で迎えた延長10回裏に値千金のサヨナラ打を放つと、広角に打ち分ける打撃でレギュラーに定着した。好不調の波はあったものの、シーズン成績はすべてキャリアハイとなる118試合出場、107安打17本塁打73打点、打率.243。本職ではない一塁や外野としての起用が続いたが、シーズン通して失策はわずか「1」と、守備も器用にこなした。さらに、「SMBC日本シリーズ2020」初戦では巨人・菅野智之投手から先制の2ラン、2点タイムリーを放つ大活躍で日本シリーズMVPにも輝いた。