ロッテ井口監督が堂々のV宣言! 独占インタで激白「自分たちの力で掴み取る」

成長著しい若手に対して「中堅がまだまだ伸び悩んでいる」

 もちろん、まだまだ課題はある。シーズン序盤にレアードが故障で離脱すると長打は減少。長打率.355は12球団最下位という課題は最後まで解消されなかったが、自然と「繋ぐ野球」が浸透した。12球団最多となる491四球という数字が、それを物語っている。

「積極的に打つ姿勢を持ちながらも、追い込まれたら何とか粘る。相手投手に球数を多く投げさせるという意味では、先発投手に1イニング40球も放らせた試合もありました。そういう野球をせざるを得なかった部分もあるけど、みんなの意識が変わってボールを振らなくなったのは成長。これで今年はレアードが帰ってきたり、他の主力選手のホームラン数が増えれば、いい試合ができるんじゃないかと思います」

 もう一つ、今年の課題として掲げるのが「中堅選手の奮起」だ。昨季は2017年ドラフト1位の安田尚憲が4番を任され、終盤には2018年ドラフト1位の藤原恭大がセンターに定着した。CSでも気を吐いた2人に、井口監督は「しっかりと成長してくれている」と目を輝かせるが、「中堅がまだまだ伸び悩んでいる。成績を見たら満足できる選手は1人もいない」と手厳しい。

「1シーズン戦い続けた経験を持つ中堅から、1人でも2人でも3割を打てる選手が出てこないといけないし、1年を通じて絶好調な選手が1人もいなかった。全員の浮き沈みが一致してしまうのがマリーンズといえばマリーンズだけど(苦笑)、それだとチームは優勝できません」

 また、勝負の世界では人の良さは必ずしも美徳とはならない。チームが不調の波に呑まれている時、誰かが嫌われ役となり、チームにとって耳の痛いことを言わなければならないことがある。選手の自主性に期待する指揮官は、今季からキャプテン制を復活させ、7年目を迎える内野手の中村奨吾を任命。「今の時代はちゃんと言葉で伝えないとチームはまとまらない。自分がいい時も悪い時も、チームのためにやってくれと伝えました」と期待する。

 前年にCS出場を逃した悔しさをバネにした2020年は、新たに優勝、そして日本シリーズ出場への想いを強くする悔しさを味わった。さらなる努力と奮起が必要なことは、誰よりも個々の選手が感じている。11月に行われた秋季キャンプで、指揮官はその想いに触れたという。

「いろいろ感じているでしょうね。だから、秋季キャンプはみんな、めちゃめちゃ良かったですよ。シーズンで見つけた課題に取り組めていたので。あの姿勢が春キャンプから開幕まで繋がるか。何よりもオフの過ごし方が大事になりますね」

 今年もまた、2月1日のキャンプインから新たな戦いが始まる。

「去年の成績で言えば、レギュラーとしてポジションを保証されている選手はいませんよ。どのポジションも今、僕の中ではフラットです。外国人選手も補強する予定ですし、球団にはうまくトレードも動いてほしいと言っている。どんな準備をしてキャンプインするのか、楽しみですね」

 目指すゴールはただ一つ。「優勝」だ。

「もう上はそこしかないですからね。掴み取ります」

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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