女子選手は積極姿勢、私生活はきっちり…駒大苫小牧監督が感じた“男子との違い”

男女合同で練習することも「男子も女子の前では失敗できない」

 ノックや走塁など一部の練習では、女子選手が男子選手と合同で練習することも。藤井華子主将(1年)が「技術もスピードも女子にはない迫力で、最初は圧倒されました。まだまだですが、少しずついていけるように頑張っています」と話すように、選手たちは大きな刺激を受けている。茶木監督は「男子も女子の前では失敗できないですよね。あの緊張感は、男子にとっても女子にとっても良いこと」とうなずく。

 選手に伝えていることは、基本的に男女とも変わらない。「人間関係で何かあっても、ユニホームを着た瞬間に、私情は許さない」という教えもそのひとつ。「言いたいことがあるなら目の前で言えと言っています。陰でネチネチ言うのは許さない」と人しての道を説く。

 昨年春の創部早々、コロナ禍で公式戦は全て中止になった。苦難の船出だったが、30試合ほど実戦をこなし、当初は20点以上取られて零封された中学男子チームに対してシーズン終盤には接戦を演じるまでになった。「1試合1試合、成長してくれました。短期決戦ならもっと成長できたと思います」と茶木監督。甲子園で初優勝した2004年夏の男子チームが1戦ごとに驚くような成長を遂げた様子を目の当たりにしてきただけに、公式戦が待ち遠しい。

 初めて臨む公式戦は、今年3月末に予定される全国高校女子硬式野球選抜大会。「日本一にさせてあげなきゃ」と語る“娘思い”の熱血監督は「日本一になって、女子野球をもっともっと発信したい」と女子野球発展の夢を追いかける。

○茶木圭介(ちゃき・けいすけ)
 1977年10月13日生まれ。北海道桜丘(現北海道栄)から苫小牧駒大に進み、2001年に駒大苫小牧の臨時コーチとして夏の甲子園を経験。2002年に同校教諭となり、野球部副部長に就任した。2004年夏は副部長、2005年夏は部長としてチームを甲子園連覇に貢献。指導者として春夏合わせてチームを計8度、甲子園に導いた。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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