広島&ヤクルトは大苦戦、巨人&阪神まずまず…12球団の昨季の補強を診断【セ編】

ヤクルト・長谷川宙輝【写真:荒川祐史】
ヤクルト・長谷川宙輝【写真:荒川祐史】

広島とヤクルトは新戦力のWARの合計がマイナスに…

【DeNA】合計WAR2.8(平均0.93)
マイケル・ピープルズ投手
10試合2勝2敗0S0H 4.97 WAR0.5
高城俊人捕手
23試合42打数8安3本5点 .190 WAR0.0
タイラー・オースティン内野手
65試合238打数68安20本56点 .286 WAR2.3

 昨季は4位に沈んだDeNA。新助っ人はピープルズ、オースティンの2人で臨み、高城が出戻りで復帰した。その中でオースティンは故障が相次ぎ、65試合の出場に終わったものの、打率.286で20本塁打。その長打力を存分に発揮し、セ・リーグの助っ人ではトップのWAR2.3を記録した。

 ピープルズは先発として10試合に登板して2勝止まり。ただ、オースティンの働きもあって、平均WARは高い値になった。オースティン、ピープルズともに今季も残留が決まっており、ソト、エスコバーと助っ人陣を形成する。

【広島】合計WAR-0.5(平均-0.16)
DJ・ジョンソン投手
14試合0勝0敗0S1H 4.61 WAR0.4
テイラー・スコット投手
7試合0勝3敗0S0H 15.75 WAR-0.1
ホセ・ピレラ外野手
99試合316打数84安11本34点 .266 WAR-0.8

 2016年から3年連続でリーグ制覇を果たしていた広島だったが、昨季は5位に沈んだ。助っ人の不振も低迷の一因で新助っ人たちも目立った活躍を見せられなかった。DJ・ジョンソンはシーズン中に楽天へトレードで移籍した。

 スコットはクローザーとして開幕を迎えたが、立て続けに抑えに失敗。わずか7試合の登板に終わり、防御率は15.75となった。ピレラは99試合に出場して打率.266、11本塁打を記録したが、守備指標の悪さもあって貢献度を示す「WAR」はマイナス。新戦力たちの平均WARもマイナスになっている。

【ヤクルト】合計WAR-0.8(平均-0.1)
マット・クック投手
7試合0勝3敗0S0H 7.88 WAR0.2
ガブリエル・イノーア投手
9試合0勝3敗0S0H 10.13 WAR-0.3
長谷川宙輝投手
44試合1勝2敗0S7H 5.82 WAR1.0
今野龍太投手
20試合0勝1敗0S0H 2.84 WAR1.0
嶋基宏捕手
20試合41打数4安0本4点 .098 WAR-0.6
アルシデス・エスコバー内野手
102試合377打数103安1本30点 .273 WAR-2.4
※歳内宏明投手
7試合1勝2敗0S0H 4.28 WAR0.4

 2年連続で最下位に沈んだヤクルト。メジャーでゴールドグラブ賞を獲得したエスコバーが補強の目玉だったが、期待ほどの活躍を見せられず。102試合で打率.273とまずまずだったが、ほぼ単打と破壊力に欠け、さらには守備指標で大きなマイナスに。貢献度を表す「WAR」は-2.4という結果になった。

 また、投手陣を厚くさせる存在として期待されていたクック、イノーアの2人は全く戦力になれず。ともに1勝もあげられなかった。ソフトバンクから加入した長谷川は中継ぎとして戦力になったが、トータルで見れば“補強”とはならなかった。

 昨季も球団ごとに成果が分かれる結果となった補強戦略。果たして今季、それが功を奏し、ペナントレースを制するのはどの球団になるだろうか。

(Full-Count編集部)

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