12球団で真の“チャンスに強い打者”は誰? 打撃指標で見る意外な結果は…

「WPA」と顔ぶれが一変する「Clutch」の上位10人

 昨季の「Clutch」の上位10人は以下の通りだ。

1 柳田悠岐(ソフトバンク)2.02
2 高橋周平(中日)1.88
3 山川穂高(西武)1.69
4 栗原陵矢(ソフトバンク)1.36
5 ジェリー・サンズ(阪神)1.22
6 茂木栄五郎(楽天)1.17
7 吉川尚輝(巨人)1.09
8 安田尚憲(ロッテ)1.09
9 ホセ・ロペス(DeNA)1.08
10 ダヤン・ビシエド(中日)0.98

 ここでも12球団でトップとなったのはソフトバンクの柳田だった。WPAもトップの柳田は数多く重要な局面で打ってチームの勝利期待値をあげ、尚且つ、チャンスでこそ、より力を発揮した選手と言える。もちろん打撃成績も言うことなしで、まさに、球界でナンバーワンの打者と言えるだろう。

 2位以下は「WPA」とは異なる名前が並ぶ。「WPA」でもトップ10に入っていたのは柳田と西武の山川だけ。昨季は打撃不振に終わった山川だったが、それでも重要な局面で打って勝利期待値を上げつつ、なおかつ重要な局面で、それ以外の場面よりも結果を残していたことになる。

 2人の他には中日の高橋周やソフトバンクの栗原、阪神のサンズといった“チャンスに強い”という印象を持たれている打者の名前が並ぶ。

 一方で、300打席以上立った選手で最も「Clutch」が低くなったのはロッテの中村奨吾内野手で-2.18に。さらにはソフトバンクの甲斐拓也捕手(-2.05)、DeNAから巨人に移籍した梶谷隆幸外野手(-1.97)、ヤクルトの村上宗隆内野手(-1.85)といった名前が並ぶ。こういった面々は指標上では、チャンスで、それ以外の場面より力を発揮できない傾向にあるということになる。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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