ヤクルトのドラフト1位は育っているか? 山田&村上輩出も、先発投手に課題

ヤクルト・奥川恭伸【写真:荒川祐史】
ヤクルト・奥川恭伸【写真:荒川祐史】

村上は昨季最高出塁率、清水も最優秀中継ぎのタイトルを獲得

 プロ3年目の2013年に93試合に出場して頭角を現した山田は2014年に打率.324、29本塁打と一気に覚醒。2015年に打率.329、38本塁打100打点34盗塁をマークして初のトリプルスリーを達成。さらに本塁打王、最高出塁率、盗塁王のタイトルも獲得した。2016年、2018年にもトリプルスリーを達成しており、NPB史上でただ1人、複数回のトリプルスリー達成者となっており、文句なしに評価も10点満点となる。

 この山田に次ぐのは2017年の村上宗隆内野手だろう。2019年に台頭し36本塁打を放つと、昨季は打率.307、28本塁打86打点をマークし、最高出塁率のタイトルを獲得した。まだ通算269試合の出場で点数自体は6点となったが、今後もヤクルトの主砲として活躍が期待される選手と言える。

 2012年の石山泰稚投手もチームにとって不可欠な存在だ。1年目からリリーフとして60試合に登板。一度は先発に配置転換されたものの、再びリリーフに戻ると、近年はヤクルトの守護神として活躍。2018年には自己最多の35セーブをマークしている。また、2018年の清水昇投手も昨季52試合に登板して30ホールドを挙げて最優秀中継ぎ投手となった。

 タイトル獲得者を3人輩出し、石山という守護神も育っているヤクルトのドラフトだが、鳴かず飛ばずで終わった選手も。2011年の川上竜平外野手は1軍出場のないまま、5年で戦力外に。2014年の竹下真吾投手も2年目に1試合に登板しただけで、わずか3年で戦力外通告を受けた。

 山田、村上という球界屈指の強打者を輩出しているヤクルト。石山、清水という投手2人も戦力となっており、総得点も45点とまずまずだが、1つの気がかりが、12年間のドラフト1位で先発投手が育っていないところ。2019年には奥川恭伸投手を指名しており、その成長、台頭を期待したい。

【表】活躍を数値化… 現行システムとなった08年ドラフト以降のヤクルトドラ1を独自検証

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