「居場所を掴み取れ」DeNA三浦新監督も台頭求む、キャンプ期待の“番長チルドレン”
昨年は2軍監督として手塩にかけて育てたブレーク予備軍たちが存在感示すか
今季からDeNAの指揮を執る三浦大輔監督は23日、オンラインで1、2軍の首脳陣や三原球団代表らとスタッフミーティングを開催。2月1日からの春季キャンプについて話し合った。正式な選手の振り分けは数日中に発表されるが、昨季に2軍監督を務めた指揮官は“番長チルドレン”の台頭を熱望している。
スタッフミーティング終了後に会見した三浦監督は、ドラフト1位の入江(明大)、2位の牧(中大)、5位の池谷(ヤマハ)の新人3選手の1軍キャンプスタートを明言。「実績を残している選手も、昨年レギュラーを張った選手も、僕がファームで見てきた選手もいるが、新たな視点で、自分の目で見極めたい」と横一線からの競争を強調した。
DeNAではコロナ禍で外国人選手全員の来日のメドが立っていない。梶谷、井納は巨人へFA移籍。昨年手術をした今永、東の両左腕にも無理はさせられない。例年以上に、若手の成長による底上げが求められるキャンプになりそうだ。「この世界で生き残っていくために、今の状況をチャンスととらえて、自分の居場所を掴み取ってほしい」と三浦監督は奮起を促す。
1軍は昨年Bクラスの4位に終わり、アレックス・ラミレス前監督が退任。一方、三浦監督が率いた2軍は、イースタン・リーグで優勝した楽天に2ゲーム差の2位につけた。個人成績でも、22歳の右の長距離砲・細川成也外野手が13本塁打、53打点、出塁率.448でイースタン3冠に輝き、打率も.318をマークした。
投手陣でも、21歳右腕の阪口皓亮投手がイースタン勝率第1位のタイトルを獲得(12試合4勝1敗、勝率.800)し、防御率もリーグ2位の防御率2.07を誇った。育成出身の21歳右腕・中川虎大投手は1軍で3試合0勝1敗、2軍で8試合1勝1敗。22歳右腕の京山将弥投手も1軍6試合2勝1敗、2軍8試合0勝2敗で、ブレークの予感を漂わせている。20歳右腕・宮城滝太投手は現時点では背番号100の育成選手だが、昨年イースタンで5勝を挙げ計6人で最多勝のタイトルを分け合った。三浦監督が手塩にかけて育て、強みも課題も、ここまでの成長の過程も熟知する顔ぶれである。今年1軍に定着してくれれば願ったりかなったりだろう。
「1軍内だけでなく、1、2軍の競争も激しくなると思う」と三浦監督。キャンプ中も1軍(沖縄県宜野湾市)と2軍(同県中頭郡嘉手納町)の間の入れ替えを積極的に行う方針で、「ファームからもどんどん上がってきてもらって、競争が起こるようでないとチームは強くなっていかない」と断言する。2軍監督からの昇格がチームの活性化に直結するか、手腕にも注目が集まる。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)