「女子野球界を変えていく」NPB初の公認チーム、西武レディース指揮官が語る“使命感”

埼玉西武ライオンズ・レディースの会見でユニホームを着てポーズをする新谷博監督、出口彩香、六角彩子、西武・居郷球団代表(左から)【写真:編集部】
埼玉西武ライオンズ・レディースの会見でユニホームを着てポーズをする新谷博監督、出口彩香、六角彩子、西武・居郷球団代表(左から)【写真:編集部】

昨年7月に埼玉県加須市がホームタウンとして名乗り…広がる支援の輪

 支援の輪は少しずつ広がり、埼玉県加須市は昨年7月にホームタウンとして名乗りを挙げ、ふるさと納税の返礼品としてライオンズ・レディースのグッズを扱い始めた。「西武ライオンズファンの人たちがこれを着て、西武球場に行けたらいいなと。レディースは球団よりも身軽だからいろいろ企画できるんです」と仕掛け人の新谷監督は笑う。

 豊富なアイデアで、女子野球界に新風を吹き込んでいる。昨季いきなり1、2軍制を導入したのも斬新だった。「いろんな発想、柔軟性を持った考え方で女子野球界を変えていくのは、うちの選手たちだと思っています。リーグのあり方を考えたり、大会を発想したり。もっと言えば女子野球のルールを作り出すような。そういうチームでありたいと思いますね」と選手とともに新しい女子野球を作っていきたいと考えている。

 選手はすでに指導者としても活動し始めている。ベースボールスクールやフィジカルスクールを開催し、子どもたちに野球や運動の楽しさを伝える。“お姉さん”という立ち位置での指導は、周囲からの評判が良いという。

「いろいろなところから来てくれって言われますよ。僕から見ると、彼女たちはイライラするぐらい優しいです(笑)。でも、子どもには安心感があるみたいで、特に初心者の子からすると、僕らみたいなおっさんから言われるより良いみたいです。女の子たちは子どもたちと一緒にケンケンしたりスキップしたりというところから入るので」。子どもたちの野球離れが深刻化する中、女子選手による普及活動は大きな可能性を秘めていると言えそうだ。

「女子野球に何か新しい楽しさを。エンターテインメントにしていきたいと思っています」。2006年から尚美学園大女子硬式野球部で指揮を執り続け、日本代表監督も経験した新谷監督。女子野球に長く深く関わる元プロ選手は、女子野球の活性化について様々な構想を練っている。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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