楽天オコエが受ける「TFCC縫合術」とは? 専門家が解説、復帰まで数か月も…

肘や肩、股関節などの硬さをかばうことで、手首に負担がかかるケースも

 治療は最初は患部を安静にし、超音波など物理療法や、動作の改善などの運動療法を行います。2、3か月経っても改善が限定的な場合は、手術も検討されます。オコエ選手の場合は縫合術と球団から発表されたので、損傷した軟骨や靭帯などを縫合する手術を選択したということです。

 術後は、手術した組織の修復をみながら、慎重に可動域や筋力回復のリハビリを進めます。今回の手術に至る過程では、手首だけでなく、肘や肩、股関節などの硬さをかばうことで、手首に負担がかかっていたケースも多く報告されています。オコエ選手の場合も、復帰までの間は、全身の他の箇所の弱点を補強する時間になると思います。復帰までには数か月かかる場合もあります。

 手首の小指側の痛みは、痛みの原因を特定しにくい箇所です。TFCC損傷の他にも、腱鞘炎や神経炎なども痛みの原因になります。大切なことは痛みの原因を特定していくプロセスです。それには、手の怪我に熟知したドクターの診察が大変重要になります。MRIやCTなどの画像診断も重要ですが、最近では注射により痛みの原因を特定できるドクターもいます。手首の痛みで悩まれてる一般の方は専門医の受診をお勧めします。

 オコエ選手につきましては、無事手術とリハビリを乗り越えて、1日も早くグラウンドで活躍する日がやってくることを祈っています。

新盛淳司(しんもり・じゅんじ)
新浦安しんもり整骨院入船院代表。柔道整復師、鍼灸師。元日本代表の中村俊輔(横浜FC)をセルティック時代から10年以上パーソナルトレーナーとして支えている。関東リーグ・ブリオベッカ浦安のチーフトレーナー。昨年、JR田町駅前にオープンした芝浦スポーツ整骨院・はり治療院の院長も務める。

芝浦スポーツ整骨院・はり治療院のHPはこちら

(Full-Count編集部)

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