楽天石井監督、2年連続5勝の則本昂にゲキ 「今年ダメだったらいい方向に進まない」
キャンプ初日から3日連続ブルペン「頭と体がマッチしている」
楽天の則本昂大投手が沖縄・金武町でのキャンプで、初日から3日連続ブルペン入りした。ルーキーイヤーから6年連続2桁勝利を挙げたが、2019年3月にメジャー移籍の夢を事実上断念し楽天と7年契約を締結してからは、2年続けて5勝止まり。同年に右肘のクリーニング手術を受けた影響もあった。不振からの脱却を誓い背水の陣を敷いている。
3日には、侍ジャパンの稲葉監督が視察に訪れ、則本昂とも言葉を交わした。2015年のWBSCプレミア12、17年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場している右腕は「日本代表は特別なもので、選ばれたらすごく光栄ですし、日の丸を背負ってプレーしたいとプロに入ってからずっと思っている」と心情を吐露したが、現状ではまず、国内トップクラスの投手として輝きを取り戻すことが先決だ。
「選んでもらうためには、結果を残していかないとダメ。まずはチームが勝てるように。それを頭に入れてやりたい」と強調した。
7年契約の3年目。2年前に則本昂と年俸3億円プラス出来高(金額は推定)の超大型契約に踏み切った石井一久GMが、今季から現場の監督を兼ねている。この日、涌井、岸、牧田と同じ時間帯にブルペン入りした則本昂へ向けて、石井監督が「ほぼ西武(ライオンズ出身者)だね」とジョークを飛ばす一幕があった。
石井監督は練習終了後のオンライン会見で、則本昂を「すごく順調にきている。真っすぐの精度はいい時と悪い時の差が少ない」と評価。一方で「最近は5勝しかしていないが、本来は最多勝にも手が届く能力の持ち主。悔しい思いをしている分、今季にどうぶつけてくれるか楽しみ」と奮起を促した。「今年ダメだったら、あまりいい方向に進まない。そこは本人も承知して、しっかりやってくれています」と辛口のセリフも飛び出した。
キャンプ3日目を終え、「頭で考えていることと体の動きがマッチしている」とうなずいた則本昂。今後のプロ生活の行方を占う大切なシーズンに臨む。本来の実力を発揮できれば、おのずから東京五輪のマウンドも近づいてくる。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)