コロナ禍で奔走する新人広報 元鷹選手・西田哲朗氏が裏方転身を決断した感謝の思い

「1番は球団の力になりたい、一緒にやってきた監督、コーチ、選手の役に立てるようにという思い」

 ソフトバンクから戦力外通告を受けたあと、西田氏には様々な、それこそ「オールジャンル」の仕事の打診があったという。「会社員もありましたし、サポートしてもらいつつ自分で仕事をしていったらどうか、とか、色々な選択肢がありました。3週間あらゆる土地に飛んで、色んな話を聞きました。色々な誘いがありましたし、それこそ甘い誘いもありましたね」。進路を決めるまでの3週間、全国各地に飛んで多くの話を聞いた。

 野球から離れようという思いもあった。「他の世界に飛び込んでもいい、他の世界を知ってもいいんじゃないかという思いもありましたね。挑戦してみたい、元プロ野球選手としてどこまでできるのか、というのもやってみたかったし、どこまで行けるか示したかったというのもありました」と言う中で、最終的には球団に残ることを決めた。

「1番は球団の力になりたい、という思いでした。自分自身がどこでお世話になったかとかを考え、両親から『球団からせっかくの話をいただいているんだから』という話もありました。一緒にやってきた監督、コーチ、選手がいるっていうことで、力をつけて役に立てるようにという思いで引き受けました」。お世話になった球団に恩返しをしたい、ともに戦ってきた仲間たちのために働きたい、その思いで打診を受けた。

 広報に就任する前には、自分なりに準備を行った。「短い期間でしたけど、広報とはどんな仕事か勉強しながら日々過ごしてきました」。広報とはいかなる仕事か、本を読んで理解を深め、他球団の広報にも話を聞きにいった。「仕事の内容を知らずに引き受けるのはよくない」とも考え、決断の前にはホークスの広報チームにミーティングをお願いし、仕事の内容を説明してもらった。

「選手の頑張っている姿、どういう気持ちで練習をやっているか、選手はこれだけ凄いんだぞというのを多くの人に知ってほしい」

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