“孫娘”が明かす野村克也さん最期の夢 「エンゼルスの監督になりたいよ」
エンゼルス職員・野村沙亜也さん「大谷選手をすごく褒めていました。本当に凄い選手と」
ヤクルトなどで監督を務めた野村克也さんが虚血性心不全で亡くなってから11日で1年となる。故・野村沙知代さんの孫にあたるエンゼルス球団職員の野村沙亜也さんがFull-Count編集部の取材に応じ、亡きノムさんとの思い出や学んだことなどを打ち明けた。【小谷真弥】
ノムさんから「可愛い」と育てられた沙亜也さん。そんな“愛孫”が語ったのは、監督・野村克也の情熱だった。2019年末、親族での食事会。エンゼルス帽子と大谷翔平のTシャツを米国土産として手渡すと、大リーグ監督への思いを口にしたという。「大パパ(野村克也さん)はすぐに帽子を被って、『エンゼルスの監督になりたいよ』と言ってました。とにかく本当に嬉しそうでした」。
沙亜也さんは18年にエンゼルスの「最優秀従業員」を受賞。当時、克也さんは大喜びだったという。愛孫の前でエンゼルスの指揮を執る――。そんな光景を思い浮かべたのかもしれない。プロ入り当初は懐疑的な視点を向けていた二刀流・大谷翔平への思いも語ったという。
「大谷選手のことをすごく褒めていました。二刀流選手で、以前は褒めてなかったんですけど、『投手でも打者でも本当に凄い野球選手なんだ』と言ってました」。19年の大谷は右肘のトミー・ジョン手術明けで打者に専念したシーズンだったが、投打で高く評価していたという。「おじいちゃんは野球のことなら何でも元気が出るんだと思います。野球に関わるのが幸せなんです。私も野球のことについて話をするのが楽しみでした」。
克也さんが亡くなって1年。当初は「めちゃくちゃ寂しかった」という沙亜也さんだが、ノムさんから学んだことを胸に生活している。「どんなに忙しくても時間を作ってくれたことに感謝しています。(克也さんは)人生は何でもタイミングが大事だと言っていました。おじいちゃんは私がやっていることを尊重してくれたし、私も自分のやることに誇りを持って一生懸命やっていきたいです」。ノムさんが生涯を通じて注いだ情熱は、愛孫にも受け継がれている。