田中将大が重視する「音よりフレーミング」 “キャッチング革命”は起こるか?
光山バッテリー兼守備戦略コーチも「いずれ日本でもそれが主流になっていくのかな…」
「『いずれ日本でもそれが主流になっていくのかな…』という話を光山さん(バッテリー兼守備戦略コーチ)としました。どうなっていくかはわかりませんが、自分の引き出しにはしていきたいです」と石原は修得を誓った。
フレーミングとは、際どいゾーンの球を球審にストライクと判定させる技術のことだ。かといって露骨にミットを動かせば、かえって「ボール」と判定されるばかりか、球審の怒りを買うリスクもある。決して気安く使える代物ではない。
田中将は初ブルペンの際にも、太田に「音のことは気にしなくていいから、際どいコースをストライクに取ってもらえるようなキャッチングをしてくれ」と要望。これには、現役時代にメジャーで2桁勝利を2度マークするなど5年間で39勝を挙げている石井一久GM兼監督も「アメリカの捕手は座布団に包まれたような『ボス』という音をさせる」とうなずいた。日本では、捕球の際にミットを高らかに鳴らして投手を気分よくさせるのも、捕手の技術の内とされるが、投手が実際以上に好調と思い込むのも、それはそれで裏目に出るケースがある。
いずれにせよ、マー君の復帰をきっかけに巻き起こったキャッチングを巡る議論は、日本球界にとってプラスにこそなれ、マイナスになることはないだろう。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)