「まだ作戦以前の段階」 白星発進の楽天・石井監督が今後目指す野球は?

4回に適時三塁打を放った楽天・石原彪【写真:荒川祐史】
4回に適時三塁打を放った楽天・石原彪【写真:荒川祐史】

先発投手には「中6日&120球」、クオリティスタート求める

 それでは、実戦を重ねた先に見えてくる石井監督の野球とはどんなものなのだろうか。GMとしてチームの方向性、戦略は作ってきたが、試合での具体的な戦術、戦法はまだ誰も見たことがない。

 自身も投手出身とあって、8年ぶりに日本球界に復帰した田中将大投手を含む先発投手陣には「アメリカは中4日で100球が目安だが、今年僕としては中6日で120球をクリアしてほしいと思っている」と独自の方針を打ち出している。瀧中を「6回3失点で持ってこれる投手」と評したように、クオリティスタート(6イニング以上投げて自責点3以内)も重視しているようだ。

 一方、ベールに包まれているのが攻撃面の戦術である。ヒントを探すと、キャンプインを前にこう語っていた。「実際の試合で起こるのは、型にはまったことばかりではない。選手はその場しのぎというか、場面ごとの対応力が大事になってくると思う」と。

 セオリーとは一味違った、場面に応じた“ひらめき”の采配が飛び出しそうなセリフだが、果たしてどうか。石井監督の恩師の故・野村克也氏は、戦力差をひっくり返す「弱者が強者に勝つ方法」を説いていたが、それを彷彿とさせる野球が見られたら、おもしろそうだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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