外国人不在でも熱い楽天の外野手争い 石井監督「誰が活躍するのか楽しみ」
オコエは今月中に左手手術、19歳の若武者・武藤も台頭
底知れない潜在能力を秘めているのは、大卒5年目のスイッチヒッター、田中和基も同様。故障などで不本意なシーズンが続いているが、まずは打率.265、18本塁打、45打点、21盗塁で頭角を現した2018年の輝きを取り戻したいところだ。
巨人時代から長打力を注目されていた和田恋も外野手登録で、このキャンプのフリー打撃では、ドラフト1位ルーキーの早川隆久投手から逆方向の右翼へ特大の柵越えを2発放った。また、現在2軍キャンプにも、実績のある岡島豪郎、下水流昂らが控えている。今月中に「左手関節TFCC縫合術」を受けることが発表された6年目のオコエ瑠偉は、回復後の巻き返しは欠かせない。それだけの顔ぶれがそろっている。
さらに、ここにきて石井監督が頻繁にその名を口にするのが、2年目・19歳の武藤敦貴。50メートル6秒0の韋駄天は、ルーキーイヤーの昨年3月、紅白戦で帰塁時に右肩を脱臼。1軍戦出場を果たせず、イースタン・リーグでも3試合出場にとどまった。それでも昨年11月の宮崎フェニックス・リーグで全18試合に中堅手としてフル出場し、評価を上げた。
指揮官は「今年はブルペンを8人にするか9人にするか決めていない。武藤ら外野手を含めての争い」と語っている。投手を1人削ってでも武藤を1軍に抜擢する可能性に言及するほど惚れ込んでいる。13日の練習試合では辰己の代打で登場し、空振り三振に倒れたが、まだまだチャンスはある。
いよいよ、今後の練習試合やオープン戦は結果が求められる段階。誰がレギュラー争いで開幕に生き残るのか。外国人選手が来た時に、入り込む余地がないくらいになっていれば、石井監督にとって理想的だろう。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)