「若い選手は一か八かで…」 通算378盗塁の中日荒木コーチが説く“失敗のススメ”

経験を積み重ねて成功率を上げてきた現役時代、失敗なしのシーズンも

 英智外野守備走塁コーチとともに、走塁改革の旗振り役となる荒木コーチ。「盗塁企画数を増やすだけでなく、成功率も大事になってくる。最低でも7割5分。4つ走って3つは成功というぐらいにしないといけない。走ればいいという訳ではないし、そこをしっかり詰めていかないといけない」と力説する。

 成功率は、自らの経験で培ってきた勲章でもある。「若い時は一か八かスタートを切るということが多かったけれども、年数を重ねるごとに走ればセーフというように確率をしっかり高めて走れるようになっていった。最後の方は企画数は減っているけど、成功率はかなり高くなっていたと思う」と現役23年間を振り返る。

 実際、自身初めてシーズン30盗塁以上に乗せた2004年は、成功39に対して失敗9(成功率76.9%)。2009年に至っては成功37で失敗14(62.2%)だった。ただ、30代後半になると、企画数こそ減ったものの、成功率は上昇。2014年は成功17で失敗1(同94.1%)。2016年は成功13で、失敗は1度もなかった。

 失敗の数々が教訓となり、無駄を省いて感覚を研ぎ澄ましてきた。だからこそ、指導者の立場となった今は「若い選手は一か八かで行ってみないと、どれが良いか悪いか分からない。練習試合やオープン戦で、まずはチャレンジしてみてほしい。その中から学んでいってほしい」と求める。走らないチームからの脱却に向け、自ら蓄えた無数の引き出しを提供していく。

(小西亮 / Ryo Konishi)

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