楽天松井、リリーフでは異例の94球 ブルペンで熱投「投げるのが下手くそなので」

ブルペンで94球投げた松井裕樹(右)と、同僚たちの投球に視線を送った田中将大【写真:宮脇広久】
ブルペンで94球投げた松井裕樹(右)と、同僚たちの投球に視線を送った田中将大【写真:宮脇広久】

「ミックスでサインを出して下さい」と本番さながら

 楽天で2年ぶりに守護神に復帰する松井裕樹投手が16日、沖縄・金武キャンプのブルペンで94球の熱投を見せた。3日前の13日にも82球を投げていたが、それを超え今キャンプ最多。実戦では基本的に1イニング限定の抑えとしては異例の球数となった。

 ブルペンでミット音は鳴り続けた。54球目からは、球を受けていた田中貴也捕手に「サインを出して下さい。ミックスで!」と声をかけ、本番の試合さながらに捕手のサインにうなずき、あるいは首を横に振りながら投げ続けた。61球目からは、永井育成投手コーチに右打席に立ってもらい、さらに左打席へ移動してもらった。

 想定外に球数が伸び、田中貴が宜野座で行われる阪神との練習試合へ出発しなければならない時刻が迫ったため、81球目から受け手が長坂ブルペン捕手に代わったほどだった。

 一昨年最多セーブのタイトルを獲得し、昨年は自身の希望で先発に転向したものの結果が出ず、今季は改めて石井一久GM兼監督から守護神に指名されている。リリーバーとは思えない球数にも、本人は「僕は投げるのが下手くそで、数をこなして身につけないといけないタイプの人間なので、必要数は他の人より多くなるのではないでしょうか」とキッバリ。自分に妥協を許さない真摯な姿勢で、守護神復活を心に誓っている。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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