田中将大、独自調整で20日の初実戦へ 石井監督も認める“闘牛士”の緊張感
石井監督「キャリアのある人にはある程度、自分の調整を優先」
自身も現役時代にNPBで18年間、メジャーでも4年間活躍した経験から「僕もメジャーのトップのすごい選手と対決する時には、そういう雰囲気を感じた。ブルペンでは、ポワンとした空気を醸しだす投手もいる中で、ああいう緊張感はなかなか出せるものではない」と語っている。
“ブルペン”とはもともと、闘牛場で出番前の牛を囲っておく場所を指すのだから、本来的な意味では、田中将が漂わせる空気の方がふさわしいとも言える。こういうタイプの投手に“打たせる練習”は似合わないかもしれない。
石井監督は「目の前に(防御用の)ネットを置いて投げるのが嫌だと言う人もいるし、打撃マシンの隣で投げるのが嫌だという人もいる」と、様々な“感覚”を持つ投手がいることを言及し「人それぞれの調整なので、新人に選択肢は与えないけれど、キャリアのある人にはある程度、自分の調整を優先してもらおうと思っている」と明かした。
今季の楽天の先発投手陣は、田中将(日米通算177勝)、涌井秀章(通算144勝)、岸孝之(同132勝)、則本昂大(同85勝)がそろい、通算538勝ローテと呼ばれている。キャリア豊富な“四天王”が、それぞれどんな調整法を持っているかに注目するのも面白い。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)