意識改革進むパドレスとダルビッシュが“最適合”な訳 徹底する「ゾーンへの意識」

堅実さを大切にするティングラー監督の野球にうってつけの存在

 2019年の夏、ダルビッシュはジャイアンツ戦で史上初の「5戦連続無四球と8奪三振以上」を記録。昨年、「自分が四球を出すか出さないか、コントロール下にあるのは大きいと思う」と言い切ったが、それまでと比較した自分を「全然レベルが違うくらい上だとは思っています」と成長を実感している。

 今月17日(同18日)のキャンプ初日の会見で、就任2年目のティングラー監督がチーム戦略の核として掲げたのが投打における「ストライクゾーンへの意識」だった。タティスJr.、マチャド、ホズマー、マイヤーズらを擁する強力打線だが、同監督が求める意識改革は数字にも反映されている。2019年のパドレスはナ・リーグ15球団中10位の「504」四球だったが、60試合ながら20年は「204」個で6位に浮上。出塁率はリーグワースト3位の.308から20年は.333で一気に7位に。また、昨季の投手陣の与四球は「170」個で、リーグベストのドジャースに追随。防御率は前年の4点台から3点台へと大幅に改善した。

 大味なイメージのあるチームだが、堅実さを大切にするティングラー野球には今のダルビッシュはまさにうってつけの存在だ。

「一応、自信は持ちますけど、不安も毎年絶対ある。体もオフシーズンを挟んでますから変わってますし、技術もレベルも変わりますから。そこら辺はあまり考えずに、いつも言うように1試合1試合、目の前の試合に集中していきたいと思います」

 起伏に富む長丁場の162試合へと戻る今季も、1試合燃焼で臨むダルビッシュの姿勢は変わらない。

(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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