田中将、岸から即座に吸収、評価高まる楽天ドラ1早川 同僚「同じ人間とは…」

オフの19日も投手練習で汗を流した楽天・早川隆久【写真提供:楽天野球団】
オフの19日も投手練習で汗を流した楽天・早川隆久【写真提供:楽天野球団】

岸からスライダー、マー君からカットを教わり早速自分のものに

 さらに、吸収能力にも驚くべきものがある。キャンプ中に岸孝之投手の代名詞であるカーブの投げ方を本人から直接教わり、早速試投。「岸さんから『俺は手首を曲げず、どちらかというと真っすぐを投げるイメージで投げている』とアドバイスをいただき、自分もそういうイメージを加えて投げたら、うまく抜けるようになりました」と早くも手応えをつかんだ。

 18日には、田中将のアドバイスでカットボールの改良に踏み出した。「これまで自分のカットボールは、沈んでゴロを打たせる感じでしたが、田中さんに教わったのは、右打者の胸元に食い込んでバットを折るイメージ。握りも教わりました」と目を輝かせる。こちらも手応えが良く「もう少しブルペンで試して、コースの投げ分けができるようになったら、試合で使ってみたい」と言う。

 もともと最速155キロを誇る速球を軸とし、変化球も多彩。特に2種類のチェンジアップ(ストライクを取るためのシンカー系と、空振りを取るフォーク系)は、ブルペンで球を受けた田中貴也捕手が「1軍で通用する」と太鼓判を押したほどのレベルだ。さらに同僚の超一流投手に教えを乞い、幅を広げていく姿を見ていると、伸びしろの大きさも感じさせる。

 そんな大物新人に、石井一久GM兼監督はキャンプイン直後から「練習試合やオープン戦で結果を出していってくれれば、僕たちはスポットを用意できる」と断言。限りなく開幕先発ローテの1人として計算に入れている口ぶりだったが、そこは実績のない新人だけに、ある程度実戦で結果を残さなければ周囲が納得しない。指揮官は「開幕ローテーションに入れるように、しっかり結果も見せながら、いい調整をしてほしい」と願っている。

「まずは自分の投球をバッテリー、味方の選手に認めてもらえるように、全力で立ち向かっていきたい」と早川。大物ぶりを開幕から披露することができるだろうか。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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