阪神が女子クラブチームを立ち上げた理由とは 球団OBの野原監督が語る将来像

ロングティーを行う選手たち【写真提供:阪神タイガース】
ロングティーを行う選手たち【写真提供:阪神タイガース】

球団は練習場所に鳴尾浜と甲子園の室内練習場を提供する

 時間をかけて準備を進めてきた球団は、全面的なバックアップを惜しまない。練習場所として鳴尾浜と甲子園の室内練習場を提供。現在は月、水、金の平日週3回、午前と夜の2班に分かれて2時間練習し、週末には全体練習を行っている。男子チームがキャンプから戻ってきた後も、空いている時間に女子が練習できるよう調整を図る。トレーナーら球団スタッフも協力的で「みなさん『なんでも聞いてくれ』と仰ってくださいます。トレーニング計画などいろいろとアドバイスをもらっています」と野原監督は感謝する。

 女子野球選手が競技を続ける上で悩みの種である仕事についても、球団がグループ会社などに紹介をしている。三浦外野手ら5人が球団アカデミーのベースボールスクールコーチに就任。月曜日から金曜日の毎日午後からクラスを受け持ち、未就学児から小学生までを教えている。ほかに、4月から甲子園球場の歴史館とアカデミーの仕事を兼務する選手が2人。女子チームのサポーター企業になっている「ゼンコーサービスグループ」の関西支社で働く選手が3人いる。

 今後は5月に開催される関西女子硬式野球ラッキートーナメントを皮切りに、関西女子野球連盟と全日本女子野球連盟の大会に参加する。

 西武ライオンズレディースは昨年の全日本女子公式クラブ選手権大会で初出場初優勝したが、野原監督は腰を据えて愛されるチームを作っていく構え。「まずはみなさんに応援してもらえるチームになること。新規参入で立ち上がったチームですので、日本一というところよりも、女子野球の普及につなげられるように頑張っていきたいと思います」と力を込めた。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY