「そんなのしょうがないやん」ダルビッシュが救われた“伝説の投手”野茂氏の言葉

四球を重ねた試合翌日の心境に野茂氏は「そんなのしょうがないやん」

 野茂氏と共用する時間は、気持ちの持ち方を変えるきっかけを作った――。四球禍で試合を壊した翌日の心境を聞いてみた。答えは「そんなのしょうがないやん」だった。

 26年前、野茂氏はメジャー挑戦に懐疑論が飛び交う日本から海を渡った。計り知れない重圧とも戦いながら、フォークを武器に1年目から圧倒的な投球を見せ実力で雑音を消し去った。日本人投手唯一の2度のノーヒッターを成し遂げ、「伝説の投手」とダルビッシュが敬う野茂氏が淡々と返した一言に、懐にあった重石がスッと動いた。

「自分に対して優しくなれる、そういうところが(野茂氏の)強さかなって。自分の場合は、自分に対して責めることもすごくしてしまいます。それってやっぱり良くない。自分に対してリスペクトがないし。そういうところが自分の弱さだと思う」

 メジャー10年目の春に、ダルビッシュの不安は一つ。34歳の年齢も関係してか、食欲減退からくる体重減で「このキャンプの課題は、食べることをもうちょっと頑張らないと厳しくなってくると思う」と、自分に言い聞かせるように言った。

 でも、心配などいるまい。昨季のコロナ禍で戦ったシーズンで8勝を挙げ、日本人投手初の最多賞を手にした夫を陰から支える愛妻、聖子さんと、どんな時も心を和ませてくれる子供たちがずっと見守っている。

(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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