中日・根尾が頑なに「遊撃」にこだわる理由 追い求める“理想のアイデンティティ”

倒すべき相手は名手・京田「近くに指折りのショートストップ」

「内野の1番上手い人がやるところですし、憧れがあります。単純にファーストに1番遠いポジションで、その分脚力や肩の力もいる。外野からのカットプレーもセカンドより優先的に入ることが多いですから。プレーによく関わるという意味でも、チームの大黒柱のような存在かなと」

 守備の屋台骨を支えるセンターライン。さらに遊撃手はカバーしなければいけない範囲も広く、内野の中心と言える。その分負担も大きいが、華のあるポジション。大阪桐蔭高時代から、投手との“二刀流”で担ってきた。その思いは、プロに入ってさらに強くなった。

「去年は(2軍で)たくさんセカンドや外野などをやらせてもらって、やっぱりショートがいいなと思いました」

 2020年のウエスタン・リーグでは、遊撃で37試合出場しただけでなく、二塁も37試合、三塁は10試合で、外野も4試合経験した。それぞれの場所から見える景色や役割も違い、チームにとっては欠かせないポジション。自らの中で“優劣”をつけるというより、遊撃の魅力を再発見したようだった。

「何より、1番近くにNPBでも指折りのショートストップがいますから」

 2017年からレギュラーを担う京田陽太は、リーグ屈指の名手の域に達しようとしている。その存在を誰よりも近くで感じ、壁の高さを感じるとともに意欲を掻き立てる。「首脳陣からも、ファンの皆さんからも、結果を求められていると思います」。その期待に応える場所は、今はひとつしか考えられない。

(小西亮 / Ryo Konishi)

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