楽天野手陣も競争激化でポジション奪うのは誰? 若手の成長に鈴木大、銀次も危機感

楽天・鈴木大地(左)と銀次【写真:荒川祐史】
楽天・鈴木大地(左)と銀次【写真:荒川祐史】

黒川が二塁のポジションを奪うなら浅村は一塁、DHの可能性も

 鈴木大は昨季、三塁手としてベストナインとゴールデングラブ賞に輝く一方、一塁手としても36試合スタメン出場した。もともと内野ならどこでも、必要とあれば外野も守れるユーティリティプレーヤーである。一方、2017年にベストナインとゴールデングラブ賞をダブル受賞した銀次は、昨季の鈴木大加入の影響もあって88試合出場にとどまり、巻き返しを誓っているところだ。

 売り出し中の黒川は二塁が本職で、当面は主砲の浅村栄斗内野手とポジションを争う。しかし、もし黒川が開幕までレギュラーにふさわしいと認められる活躍を続けた場合、浅村が一塁やDHに回るケースも考えられ、鈴木大や銀次にとっても他人事ではない。

 辰己が「1番・中堅」のスポットを固めつつある外野もしかり。左翼には今季から4年契約を結んだ島内宏明外野手が構えており、残りのポジションを狙って、巧打の24歳・小郷裕哉外野手が連日活躍。ライバルたちに比べるとやや目立っていなかったスイッチヒッターの田中和基外野手も、石井監督から「凡打を含めて内容のある打席が多い。カウント3-2から、しっかり自分でボールと判断して見送った球をストライクと判定されても、その見逃し方が良い」と称賛されている。コロナ禍で入国のメドが立っていない新外国人のルスネイ・カスティーヨとブランドン・ディクソン(登録は内野)が来日すれば、競争はさらに激化。場合によっては島内さえ安泰とはいえなくなる。

 石井監督がキャンプイン当初から「外国人選手がいない分、ポジションを奪い合ってくれれば逆に楽しみ」と望んでいた以上の展開だろう。田中将やドラフト1位の早川隆久投手(早大)らが加わった投手陣も同様で、昨季後半失速し4位に終わった楽天が、大幅な戦力アップを果たしつつあるのは間違いない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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