楽天石井監督、ハム横尾を獲得した訳 「チームは常に順調にいくわけはない」
「池田選手にも、いい笑顔を見せてもらえるような野球生活を送ってほしい」
一方、池田隆は2018年に15試合1勝5敗4ホールド、防御率5.91の実績を残した右腕。故障などで2019年オフに育成選手となったが、昨年イースタン・リーグで21試合1勝1敗、防御率1.65で復活を実証し、オフに再び支配下登録を勝ち取った。だが、今季の楽天投手陣は8年ぶりに田中将大投手が復帰し、ドラフト1位の早川隆久投手(早大)をはじめ新人投手4人もキャンプで1軍メンバー入りして充実度を増している。池田隆は2日前の25日に、DeNAとの練習試合(宜野湾)に2番手で登板し、2回を1人の走者も許さずパーフェクトに抑えたばかりだが、補強ポイント改善のために放出に踏み切った。
石井監督は「日本ハムさんが池田選手を獲得したいということだった。今日(27日)も今野とか近藤が投げていたが、2人と話していても、いい顔をしている。池田選手にも、いい笑顔を見せてもらえるような野球生活を送ってほしい」とエールを送った。この日はヤクルトで今野龍太、近藤弘樹両投手が登板し、いずれも1イニングを無失点に抑えた。今野は一昨年、近藤は昨季限りで楽天から戦力外通告を受け、ヤクルトに移籍した経緯がある。
昨季中に楽天から巨人に移籍したゼラス・ウィーラー内野手、高梨雄平投手は欠かせない戦力としてリーグ優勝に貢献。そこにより多くの出場機会があるなら、トレードは選手にとって歓迎すべきことだろうし、送り出した側も移籍先で活躍されたからといって失敗と捉えるべきではないだろう。WINWINの結果になれば何よりだ。石井監督はトレードにネガティブな印象を持っておらず、獲得した選手はもちろん、放出した選手の飛躍も願っている。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)