「タイガースの誇りと責任を」新設の女子チーム率いる球団OB監督が目指す姿は?

前人未到の500安打を達成した三浦伊織が主将「他の選手も勉強に」

 実は、今回の女子チーム創設の話が持ち上がる前にも、女子野球に接する機会があった。「2018年頃だと思いますが、埼玉の実家に帰省した時にたまたま近くで女子プロ野球が開催されていたので、どんな感じなのかなとふらっと見に行ったんです。埼玉対愛知の試合は僅差の試合で、すごく楽しかったことを覚えています。ヘッドスライディングを見て、ビックリしました」と懐かしそうに振り返る。

 女子野球普及を第一義に掲げ、女子選手から目標とされるチームを目指す。「タイガースの一員であることに誇りと責任を持ちながら、技術はもちろん、野球に対して真摯に向かい合う姿勢を大切にして、少年少女にとって見本になれるようなチームにしたいと思っています。まずは元気で明るい雰囲気のチームに」と語る。

 その先頭を走るべきチームの主将には、女子プロ野球のレジェンドで、前人未到の500安打を達成した三浦伊織外野手を指名した。「取り組む姿勢が素晴らしく、他の選手も勉強になると思います。一からチームを作る中で、雰囲気を作ってくれて、いい影響を与えてくれ、力になってくれています」と全幅の信頼を寄せる。野手では最年長の28歳だが、ランニングメニューでもトップでゴールする姿に「さすがだなと感じました」と目尻を下げる。

 いずれどこかで実現することになる西武ライオンズレディースとの一戦は、野球ファンのみならず、世間の関心を引き寄せるはず。「女子野球界を盛り上げて、普及につながるように頑張っていきます」と野原監督は声を弾ませた。

 現在、オフィシャルスポンサーに1社、パートナーに4社、サポーターに1社が名乗りを上げ、反応は上々だという。オフィシャルスポンサーの上新電機(大阪市)は、プレスリリースで「今回の女子硬式野球チームの発足は、球界にジェンダーを越えた新たな風が吹くと歓迎しています」と発信している。女性の活躍を後押しする阪神の新たな取り組みは、今後も各方面から注目を集めそうだ。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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