「今の野球は打たないと代えられる」根尾アピールの陰で…中日京田が迫られる決断

試合に出続けるために…結果が出ない時に「やり続ける勇気が持てるか」

「俺も引退が近くなった時にいろんな打ち方したけど、結局無駄なものを削ぎ落としていった」

 そう経験を伝えられ、手取り足取りされながらスイングを見つめ直した。トップを早く作る意識づけとともに、テークバック時に2段階でタイミングをとってしまう“2度引き”の悪癖を指摘された。「言っていただいたことは理解できているので、意識はしています」。ステップを踏みながらバットを振ったり、投手の距離が近いソフトボール選手の球を打ったり……。様々な角度からアプローチしていった。

「あとは根気強くやること」。立浪臨時コーチから繰り返された言葉を胸に刻む。今はただ、教えと向き合いながら、オープン戦へと向かっていく。その一方で、心の奥底でわずかな不安もくすぶる。偽らざる本音が、ふと言葉となる。

「もちろんやり続けることは大事ですし、根気強くやろうと思っています。でも、今の野球は打たないと代えられる。当然ですが、結果が出なかったら代えられる。僕の1番の目標である『試合に出続けること』を考えたら、どうしても目先の結果が欲しくなることもある。そんな時に、やり続ける勇気が持てるか。今の結果を求めていろいろやり方を変えてみるのか。迷う時はくるんだろうなと」

 打撃は感覚。教えられた通りにやれば、必ず成功するわけでもない。いかに自らに合った知識や技術を吸収し、体現できるか。プロ4年間で痛いほど分かった。それでも、20日間の“立浪塾”が、大きな選択肢を与えてくれたのは事実。「迷って、考えながらバッティングして、すごく充実した時間でした」。すぐに答えは出なくても、その過程も糧になっていると信じて打席に立っていく。

(小西亮 / Ryo Konishi)

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