防御率と奪三振数、ホールドポイントの相関性は? データで見る投手分業制
2020年のリーグ順位にも防御率と奪三振数が影響
2020年のパ・リーグのチーム防御率ランキングと、各球団の防御率、奪三振数は下記の通りだ。
これを見ると、防御率リーグトップのソフトバンクが、唯一の4桁奪三振を記録して奪三振数でもリーグトップに。チーム防御率2点台という数字は、球界全体を見ても抜きん出ている。また、ロッテを除く5球団は「防御率の順位」と「奪三振数の順位」が同じという結果。こういった数字からも、奪三振と防御率の間にある相関性が見えてくる。
奪三振数のほかにも、防御率と結びつけて語られることは少ないものの、一定の相関性がある意外な数字は存在する。そのうちのひとつが、最優秀中継ぎを決定する際の指標であるホールド・ホールドポイントだ。2010年以降のパ・リーグにおいて、防御率リーグトップだったチームと、ホールド・ホールドポイント数はそれぞれ下記の通り。()内がその指標のリーグ順位だ。
見ての通り、2010年から2014年までは「防御率1位のチーム」が「ホールド・ホールドポイントでも優れている」とは言い難く、二つの数字にはさほど関係がないように見えた。ところが、2015年以降は、2019年のソフトバンクを除き「防御率1位のチーム」がそのまま「ホールド・ホールドポイント1位のチーム」になっている。
もちろん、ホールド・ホールドポイントを稼いだということは、チームの勝利またはその可能性をつなぐために貢献した、致命的な失点を避けたということを意味している。そう考えると、優れた防御率(平均的な自責点の少なさ)と、ホールド・ホールドポイントの多さに関係があるのは、むしろ当然といえるかもしれない。ポイントは、ごく最近になってからその傾向が顕著になってきた、という点だ。