楽天則本昂に見えた“田中将大効果” 高めの直球をテーマにした理由とは

田中将に高めの“効用”を聞いた小山コーチが則本昂に勧める

 今年の春季キャンプでは、8年ぶりに日本球界に復帰した田中将がブルペンで「次、高めのストレート行きます」、「高めのスライダー」などと予告しながら、高めへの投球を多く練習していたことが話題になった。日本の投手は一般的に「低めに球を集めろ」と金科玉条のごとく教えられる。

 その方が長打を食らいにくいとされているからだ。しかし、メジャーリーグは「フライボール革命」に席捲されアッパー気味のスイングで打球に角度をつける打者が増加。投手は、いかに高めをうまく使えるかが成功の秘訣になりつつあるとも言われる。

 小山コーチは「田中将が(高めを)使っていたので、『なぜそこへ投げるの?』と聞いてみた。詳しいことは企業秘密だが、球威のある則本に『使ってみたら?』と勧めた。うまくハマってくれたと思う」と語る。

 則本昂はプロ1年目の2013年、新人ながら15勝(8敗)を挙げ、田中将らとともにリーグ優勝と日本一に貢献した。以降、毎オフ田中将と自主トレをともにしてきた“チーム田中”の一員。1年目から6年連続2桁勝利をマークしたが、破格の7年契約を結んだ2019年以降は2年連続5勝と低迷している。“師匠”のマー君の復帰をきっかけに、則本昂も復活の狼煙を上げるか。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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