ダルビッシュもカーブの投げ方を… 米球界が支持する「ピッチング・ニンジャ」の正体
複数の球種を重ね合わせて動画にする「ピッチ・オーバーレイ」を世に広める
これがキッカケとなり、動画編集ツールを使用し、出来上がった動画をツイッターに投稿するようになった。これが評判を集めるように。フリードマン氏は「私自身が学んだことを共有し始めただけだったのが、みんなが『ワオ、これはおもしろい』って言い始めてね。どうやって異なる球種を投げているのかみんなが興味を示したので、それについてツイートし始めたんだ。おもしろいのは、そこからみんなが『ヘイ、この子のとんでもスライダー見た?』って言ってくるようになったことだ」と明かしている。
「ピッチ・オーバーレイ」と言われる複数の球種を重ね合わせて動画にする手法を広めたのもフリードマン氏。2018年には一時、MLBから動画の著作権侵害で苦情が入り、アカウントが凍結される事態にもなった。だが、ほどなくして「価値ある貢献者」として認められ、MLB側が態度を軟化させた。“鬼才”と称されるトレバー・バウアー投手が設立した企業「モーメンタム」とも契約を結んだ。
「ピッチング・ニンジャ」はメジャーリーガーにも認められており、メッツのマーカス・ストローマン投手は「彼は野球の世界において、最も敬服すべきアカウントの1つだ。僕は彼に尋ねるんだ。『ヘイ、シャーザーのチェンジアップの握りを送ってよ』とか『カーショーがどうやってカーブを握っているのか』とか。彼はズームインしてYouTubeで動画を見つけることができるんだ」と語っている。
アスレチックス傘下に在籍するネイサン・パターソン投手は自身のツイッターで、ロッキーズの本拠地クアーズ・フィールドで球速を計測する「スピードピッチ・チャレンジ」に参加し、最速96マイル(約154.5キロ)の剛速球をマークした動画を投稿。これをフリードマン氏がリツイートしたことで動画が一気に拡散し、契約につながった。
フリードマン氏は記事の中で「野球は、お金持ちの子供のためのスポーツであるべきではない。野球が成長していくためには、もっとアクセスが必要だ」と語り、野球がより多くの人に広まるようにと願っている。ちなみにフリードマン氏の妻は日本人とのハーフ。そのため、アカウント名に「ニンジャ」とつけたという。
(Full-Count編集部)